Get Inspired

My Books

Travel Guides

About Me

Top
  >  Posts tagged "ギリシャ"

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 25 旧市街の朝  朝、とても気持ち良く起床。ベッドの横に大きな窓があるので、とても気分が良い。オレンジとパンを食べて、グランド・マスターの宮殿に向かって出発。町はまだ静かだ。  ロドスは路地が良い。パン屋の横を通りかかると、前掛けをした大きなおじさんが、片手に子猫をわしづかみにして、納屋の裏に移動させていた。表にいたら危ないからかな。なんだかジブリ映画みたい。 光が差し込む宿の部屋 宿の前に集まる猫たち グランド・マスターの宮殿  グランド・マスターの宮殿に繋がるイポトン通り(別名・騎士団通り)は、ゆるやかな坂道で、とても雰囲気があるのだけど、常に観光客の団体がいて、まるで絵にならない。朝9時に来てみても、やっぱり団体さんがいた。  グランド・マスターの宮殿に到着。大きな四角い石を積み上げて造られた、質実剛健な建物だ。きらびやかな装飾はないけれど、すごくかっこいい。  明かりを灯す燭台は、一部屋ごとに違った花のモチーフになっている。第一次世界大戦後、イタリア統治時代にはムッソリーニのための別荘として整備されたのだそう。床にはたくさんのモザイク画が残っていたし、ラオコーン像は生々しいほど迫力がある。  個人的には廊下や階段がツボ。いつでも敵の襲来に備えていたのだろう。飾りもなく広々として、天井が高い。 ロードス島の中世都市・騎士団通り 騎士団長宮殿の2階回廊。かつての聖ヨハネ騎士団の権威が漂う重厚な石壁と美しい連続アーチ 『グランドマスターの宮殿』の堂々たる正面玄関。 重厚な中世の石壁を背に咲く春の藤の花 植木鉢が並ぶ宮殿内の美しい石階段 花や植物を模した優美なアイアンの壁掛け燭台 重厚感あふれる石造りの大階段 宮殿の床に広がる古代ローマ時代のモザイク画 ランチとショッピング  お昼頃、ランチにしようと思って、昨日地元の子で賑わっていたファストフード店「GOODY’S」に行ってみた。ピタやハンバーガー、サンド、ポテト、サラダバー、ジュースなどがあった。ナスが入ったサンドとスプライトを頼んだ。  ドリンクが間違えてコーラになっていたので「これ違うよー」と言うと、「あー、問題ないよ」と言って、すぐに替えてくれた。  席に座って食べていると、楽器を持った男の子が、歌を歌うからお金をくれと声をかけてきたり、女の子が犬の人形をたくさんカゴに入れて、買わないかと言ってきたりする。こういう風景は、日本では見られない。  それからスーパーに寄って、パンテーンのシャンプー+コンディショナーを買った。日本でもお馴染みのブランドだけど、種類がいろいろあって面白い。ちなみにパンテーンは11種類もあった。  美容液やボディクリームなんかには、ハイドロキノンやレチノール配合で、シミやシワに効きそうなモノがある。しかも、びっくりするくらい安い……。スーパーが宝箱に見えてきた。  1時間半くらい、いろんな物を手に取って感心しては棚に戻しながら、いつかこういう買い物メインで来たいなぁと思ったりした。  それから、ずらりと並んだお土産屋の一つで、お土産用に荷物にならない小さな絵を数枚買った。 ハチミツ、オリーブの瓶詰め、大理石のチェス……。全部重すぎる! ロード・オブ・ザ・リングのチェスセットを見かけた。ホビットがポーンで、最前列。フロドは何だったんだろう。あいつは果たしてポーンなのか、キングなのか……。€60の立派なやつだった。 21年後の考察 21年間放置していた「フロドは何の駒だったのか」問題について、改めて考えてみた。 フロドは本人の戦闘力だけならポーンだけど、「一つの指輪」を持っている以上、敵に取られたらほぼ世界終了。つまりキング。 クイーンは文句なしにガラドリエルの奥方。 そしてサムは、最初はごく普通の庭師=ポーンなのだけど、盤面の最奥まで進んだポーンはクイーンに昇格できるらしい。 ホビット庄を出て、モルドールの最奥までたどり着き、最後には動けなくなったキングまで背負って進む。 あれ、……サム、クイーンじゃない? なお、映画版を見たら、アルウェンは前衛に置きたい。 21年経っても、特に役に立たないことばかり真剣に考えている。 ナスのサンド パンテーンのシャンプー&コンディショナー チンチョンチャン  ロドスに来て、何度か通りすがりの男の子に「チンチョンチャン」と言われて、ちょっとだけムッとしている。 3度目の時、文句を言ってやろうかと思ったけど、相手は子供だぞ、と落ち着いて「それは何?」と聞いてみた。中国人や日本人、韓国人を指す言葉なのだそうだ。だいたいそんなことだろうとは思っていたけどね。 中学生くらいの歳頃の男の子たちに「日本語で I love you って言ってよ」と言われたので、「え? 愛してる?」と言うと、 “Oh! Do you love me?” と、ひょうきんに笑っていた。 少なくとも目の前で笑っている少年たちの「チンチョンチャン」には悪気なんて全くないのだ。 Location ■グランドマスターの宮殿Palace of the Grand MasterIppoton, Rhodes Town 85100, Greece

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 24 船でロドスへ  朝5時半に起きて、6時半過ぎに宿を出た。出国手続きがあるので、8時までに必ず来いと言われていたのだ。ロドス行きのフェリーが出る港までは、荷物を背負った状態なら歩いて30分くらいかかる。  7時に港に着いた。敷地内には、人っ子一人いない。フェンスの向こうを、犬の散歩をしているおじさんが通っているくらいだ。あと30分もすれば人が来て、手続きをしてくれるだろうと思い、ベンチに座ってiPodを聴きながら時間を潰した。  7時半を過ぎて、カナダ人らしきバックパッカーの男の子が二人現れた。でも港の職員は誰一人としてやって来ない。  8時5分前。ようやくぱらぱらと職員がやって来て、準備を始めた。トルコ人に30分前出勤とか、そんなことをする人はいないのかもしれない。そして来てまずやることは、コーヒーを飲むことだ。 コーヒーでくつろぐ職員に船の予約の紙を見せると、「あぁ、ちょっと待ってね」と、すぐに私の名前が入ったボーダーカードが出て来た。ありがとう、エルマン! その場で€40を支払って、発券完了。  8時近くになって、ゾロゾロとヨーロッパからの団体さんがバスでやって来た。一緒に並んで出国手続きをした。パスポートコントロールの前に、飛行機みたいに荷物を流して機械に通すんだけど、私のナイフには反応しなかった。 大丈夫なのか?? ナイフと共に乗船(笑) 船の甲板から見るマルマリスはとても綺麗だった。 トルコではいろんな思い出ができた。貴重な体験もした。トルコ人の日本人好きにはかなり参ったけど、また来たいと思う国だった。トルコで出会った人たちの温かい笑顔を思い出しながら、船の窓から景色を眺めた。 もう使えなくなってしまうトルコリラで、たっぷり入ったコーヒーを買った。ナイスチョイス。 ロドス行きチケット販売所 マルマリス〜ロドスの高速フェリー ロドス到着  9時に出港して、なんと10時にロドスに着いた。 これで€40(5,600円)は高すぎる!  ともあれ、ロドスが見えた瞬間からわくわくした。いきなりドーンと城壁が見えてきたのだ。騎士の街は、まるでゲームの世界みたい。 早く街を探検したかったのだけど、とりあえず港から家に電話をした。それほど大きくはなかったようだがまた地震があったらしい。あと10年、20年もすれば、日本は海の底に沈んでしまっているかもしれない、などと思う。そしたら何処に移住しようかな……。 電話を終えて、ピレウスへの船を確かめるため、港の近くに並ぶ旅行会社を訪ねた。ピレウスへの便は、ほぼ毎日あるらしい。 友達との待ち合わせは28日。ロドスには長居したい気がしたので、26日の夜行の船を取ってもらった。一番安い席で€41(5,740円)と、これまた高い。 まぁ、一晩船の中で過ごせるので、宿代が浮くのはせめてもの救いか。14時間の船旅だ。そろそろシーズンに入ってきて、いろんなものの物価が上がりはじめているような気がする。 フェリーから望むロドス島の城壁 ロドス島・マンドラキ港のシンボルシカの像 中世への入り口、ダンボワーズ門 時間が停まったようなハチミツ色の石畳の路地 宿探し  フェリーのチケットも買ったことだし、さっそく宿探し。 ロドスは、城壁に囲まれた中世の姿を残すOLD TOWN(旧市街)と、ビーチリゾートのNEW TOWN(新市街)に分けられる。宿を取るなら旧市街の方が雰囲気がありそうだと思って、最初に見つけた城門から旧市街に入った。 そしてびっくり! なんだこの人の多さは! 見渡す限りの欧米人観光客に、しばし呆然とした。ロドスはギリシャでも屈指の観光地で、トルコからの日帰り観光客もやって来る。ここはすでに観光シーズンを迎えているみたい。でもアジア人は一人もいない。 お土産屋やレストランがずらりと並んでいる道を通って、旧市街の奥へ奥へと足を進めた。これだけの観光地とくれば、宿の相場は高いに決まっている。ガイドブックを見ても、ユースホステルでさえ€25~。ユースじゃなければ€40~だそう。 節約の鬼姫の私が、そんな所に泊まるわけにはいかない。 安宿がありそうな、多少不便な奥まった路地に入っていき、何軒か尋ねてみた。この辺りでもやっぱり1泊€40とか€30とか言う。 「5泊したいんだけど、安くなる?」 と聞くと、€25にしてくれた。でもまだ下げたかったので断った。カランバカでは€25の宿に泊まっていたのに、トルコの安さに味をしめてケチになっている。  細い道をきょろきょろしながら歩いていると、路地の奥に宿らしき看板が。 中に入ってみると、なんて可愛い! 今まで泊まったどの部屋よりギリシャっぽい、白と青と緑のこぎれいな部屋だった。バス・トイレ付きだと€35、共同だと€25だと言われたけど、 「もっと安い部屋を探してるの」 とねばると、€22にしてくれた。 もっと探しても良かったんだけど、宿のマダムの笑顔があまりにも素敵だったので、ここに決めた。宿泊カードを記入していると、このお洒落で可愛いマダムが、紅茶とクッキーを持って来てくれた。 素敵過ぎる宿のマダム 可愛すぎる部屋の鍵 待ちに待ったランドリーへ  部屋に荷物を置いて、今日まずやること。 それは洗濯。 ランドリーにジーパンを洗いに行きたい。ほとんどアウトサイドで過ごした20日間、一度も洗っていないため、履いているだけでなんだか臭いし、ジメっとする! ロドスはランドリーが安いと聞いていたので、この日を待っていたわけ。トルコでは1,200円と言われたところ、こっちでは630円だった。 よっしゃー! 臭くない!! ついでにパジャマ代わりのスウェットも洗った。なんだか軽くなった(おいおい)。 それから旧市街をうろうろして、次に城門を出て、新市街にも足を伸ばした。やっぱりギリシャはオシャレだ。新市街は、アメリカンリゾートっぽい雰囲気。海水浴ができる浜まで歩いてみたけど、海はとても綺麗だった。すでに水着で肌を焼いている人や、泳いでいる人がいる。 ATMが見つからず、仕方なく銀行でT/Cを現金に換えたら、次の通りでシティバンクのATMが見つかった。 ド畜生。 大きなスーパーを見つけたので、5日分の食料を買いこんだ。この辺りじゃタベルナも高くて、一人じゃ入れない。友達と合流した時に、ちゃんとしたギリシャ料理を食べに行こう。 それにしても、中世の街のような旧市街は、どの通りも同じように見えて、今日一日歩き回って一度も同じコースを歩けなかった。 (注:私は方向オンチです) 生活する気満々♪ Location ■ロドス旧市街Rhodes Old TownMedieval Town, Rhodes 85100, Greece

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 10 トルコ人家族との出会い  やっと落ち着いたかなと思っていると、私が座っていた6人乗りのコンパートメントに、トルコ人の一家がぞろぞろと入ってきた。「乗ってもいい?」と聞かれているんだと思うけど、トルコ語がさっぱり分からない。7人くらいの一家が一斉に私に話しかけてくる。 ‥‥どうしよう、「ジャポン」しか聞き取れなかった。「わー‥‥」という状態の私に、14歳くらいの男の子が自身を指さしながら「タルキッシュ、タルキッシュ!」と説明してくれた。うん、それだけは全力で分かってるよ。可愛い娘さんが「荷物を上に上げてあげようか」とジェスチャーで示してくれるので、足元に置いていたバックパックを荷台に乗せるのを手伝ってもらった。  一家もボストンバッグや紙袋、さらに米などの大量の食材を、荷台に詰め込み始めた。ひと段落してみんながギューギューになって席に着くと、お母さんが歌を歌い始めた。お祭り好きのヌーチョがこれを聞き付けやって来て、自分の国の歌を歌いだした。「最後は君が日本の歌を歌うんだ」とヌーチョに言われて『異邦人』を歌おうと心に決めていたのに、怖い顔をした車掌さんが現れて、家族を怒鳴りつけ、別の車両へと追いやってしまった。 寂しそうな顔をして、娘さんとお母さんが私に抱擁してくれたので、私は何事か解らないまま、ついさっき覚えたばかりのトルコ語で「ギュレギュレ」と言って見送った。見送る側が使う「さようなら」だ。後からヌーチョが「この車両はツーリスト専用で、一般の客は別の車両に乗らなきゃいけないみたいだね」と教えてくれた。「へぇ」とうなずいて、顔を見合わせてから、二人同時に「Stupid(馬鹿らしい)」と言った。 困った人々  それからしばらくして、再びコンパートメントにさっきの車掌さんが現れて、私に「どこから来たの?」と聞いてきた。日本だと答えると、いきなり手にキスをして、「21歳?22歳?」と聞く。「27だ」と言うと、薬指を確かめて「結婚はしていないの?」と言う。シングルだと答えると、「じゃぁ結婚しよう」といきなり結婚を申し込まれた。「私は10年間妻がいない。1人子供がいるだけだ」って、いや、結構ですから。きっぱりお断りをしたら泣きまねをしながら出て行った。これが噂のトルコ男か…まったく先が思いやられる。。。 別の車掌さんからはチャイをご馳走になるし、いたれりつくせりなんだけど。ヌーチョが「他人からもらった飲み物なんかを簡単に飲んじゃダメだよー」と言うけど、そんな事は百も承知だ。でも旅先では、どうしても断れない場面が2割くらいはあるのよ。「それにしても綺麗な女の子には親切だなぁ」とヌーチョは苦笑しながらそう言った。私は綺麗でもないし、むしろ逞しい部類でしょうよ。だから違うんだよ、ヌーチョ。彼らは女の子を見たらとりあえず口説いとくのがマナーだと思っているだけなの。  この電車は、外国から入国する人と、トルコに住む人とで車両を分けてあり、トルコの人が乗る側の車両を探検してきたヌーチョは、「あっちのトイレは汚いし、紙もないんだ」と憤慨していた。観光が大事な産業でもある国なので「お客様は神様です」的な考え方は、ある程度仕方がないとは思う。だけど、日本人客には手を取って歓迎し、トルコ人客には怒鳴り声を上げ、ギリシャ人とは忌々しそうに喧嘩する。その態度の違いを、私はどう受け止めればよいのか分からなかった。ギリシャとトルコの間には長い歴史的な背景がある。ほんの数日旅をしている私が、簡単に良し悪しを語れる話ではないのだけれど。そんなことをぼんやりと考えながら、イスタンブールまでの時間を過ごした。  21時過ぎ、外はもう真っ暗。すると通路の方から子供の声が聞こえてきた。昼間出会ったトルコ人一家が私にお別れを言いに、車掌さんに怒鳴られながら、わざわざ会いに来てくれたのだ。娘さんとお母さんは「元気で旅を続けてね!」と抱きしめてくれた。 車掌さんはルールを守っていただけなのだろう。でも、怒鳴られながらも車両を渡って最後に挨拶をしに来てくれたトルコ人一家の優しさは、ずっと心に残っている。 窓の外にミナレットが見え始めた。どこかのモスクだろうか。イスタンブールに着いたのだ。スィルケジ駅の色とりどりのモザイクは嘘みたいに綺麗。  長旅が終わりみんなが伸びをしながら電車から降りはじめた。ヌーチョは中国人とスウェーデン人のグループと私をまとめて、一緒に宿探しをする気でいるらしい。そろそろ一人になりたいんだけどなぁ…。仕方なく付き合って行ったユースホステルは、改装中で開いてなかったので、ガイドブックに載っていた駅の近くの安宿を提案すると、数人が意気投合。タクシーでそこに向ってみたけど、その日はトルコのホリデーだったため、シングルルームが一部屋しか空いていなかった。年輩の男性が「君はここに泊まったらいいじゃないか」と言ってくれているのに、ヌーチョときたら「えー!一緒に泊まるんじゃなかったの!?」とうるさかったので、無視して一人でそこに泊まらせてもらうことにした。途中まで仲良くしてたけど、最後の最後で、ちょっと残念な人になってしまった。私にその気がないと分かると「タクシー代は君が払うんだよ」だって。ムカっときたので、タクシー代を全額支払ってグッバイフォーエバー。メテオラでパーティーを組んだダンとデイビットが素敵な人たちだっただけに、余計に残念に思った。 Location ■スィルケジ駅Sirkeci StationHocapasa Mah. Ankara Cad., Eminonu, Fatih, Istanbul, Turkey

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 10 テッサロニキから国境駅へ  昨日の夜は宿の中も外もうるさくて、何度も目が覚めたけれど、そのわりには短時間でしっかり眠った気がする。  6:00 — 起床。昨晩、他のお客がシャワーを長時間独占していて、待っている間に眠くなって寝落ちしてしまったので、申し訳なく思いつつも、早朝からシャワーをあびる。  6:20 — チェックアウト。寒くなかったし、18€なのになかなか良い宿だった。  6:30 — テッサロニキ駅に着いた。今日はここから7:20発のIC(インターシティ)で国境を越え、トルコのイスタンブールに向かう。7時に駅のインフォメーションが開いたので、窓口のお姉さんを捕まえて、ピシオン駅というギリシャの国境の駅での列車の接続について聞いた。異国の地で、しかも国境を越えるとなると、どんなものなのか全然想像ができないから心もとない。 窓口のお姉さんにイスタンブールの何という駅に着くのかと尋ねたら、なんでも無い事のように「あら、それは分からないわ」と言われた。本当にそれは重要なことじゃないのだろうか?? たぶんヨーロッパ側からのトルコへの入国は、スィルケジ駅で間違いないとは思うんだけど…。(アジア側からの入国はまた別の駅に到着するらしい) 21:30に駅に着いて宿を探せるのかどうか、この旅始まって最大の不安にぶち当たっていたのだけれど、最悪朝まで駅に居ればいいやという気持ちになっていた。 世界の車窓から ピシオン駅 いよいよ出発  7:20 — IC出発。電車は座席が広くて快適。バックパックは足元に置いて、自転車の鍵で座席の脚にくくりつけた。 ギリシャに来て10日。エーゲ海以外の街や遺跡を巡りながら、北に足を進めてきた。今度ギリシャに戻ってくるのは、友達がやってくる4月の最終週あたり。しばらくギリシャともお別れだ。 とはいえ、『世界の車窓から』をゆっくりと楽しむ余裕もなく、電車の中でトルコについて猛勉強。 メルハバ、テシェッキュレデリム、アラスマラドゥク!トルコ語は舌を噛みそうだ。  14時前、回ってきた車掌さんからパスポートを回収され、「国境でパスポートコントロールがある。それから、15:30の電車に乗り換えるんだよ」と説明を受けた。パスポートを回収されたまま、電車は国境のピシオン(Pithion)駅に着いた。乗り換えの場所は、案内されるがままに着いていって、ここで待てと言われたので簡単だった。私はたいてい心配の方が余計に多い(一人旅はそのくらいで丁度良いのかもしれない)。 同じ電車でトルコ入りするのは、全部で15人くらいで、日本人は私一人。 スペインから来たヌーチョという面白いお兄ちゃんと知り合った。  15:30 — 電車さんがやって来て、乗り込むとパスポートが戻ってきた。国境警備のおじさんやお兄さん達が、ギリシャから去って行く電車を見送る。アメリカ人っぽいお姉ちゃんは、窓から体を半分乗り出して、「ヒューヒュー!」といいながら拳を突き上げていた。私は一人でコンパートメントに座り、扉を閉めて窓を開けた。古びた鉄橋に描かれた青と白のギリシャ国旗が、途中から赤地に白い月と星のトルコ国旗に変わった。国境を越えたのだ。 今度はトルコ側の国境で、パスポートコントロールがあった。そうしているうちに周りが騒がしくなった。ビザがなんとか言っている。なんだろうと思って通路をのぞくと、そこにいたヌーチョが「パスポートを返してもらう時に、10€取られるよ。ビザの関係で」と言った。「そんなの聞いてない」と言うとヌーチョは両手を広げて「僕もさ」と言った。そのうち車掌さんがパスポートの束を持って私がいるコンパートメントにやってきた。車掌さんがトランプのように色とりどりのパスポートを広げて「どれ?」というように私の顔を見た。「Japanese」と言うと、「Japanese?」と言ってパスポートを返却されて、お金は請求されなかった。通路からヌーチョが口パクで「なんでー?」と言っていたので、私も「さぁ?」と口パクで返した。日本とトルコ間では、3ヶ月以内の観光目的の滞在なら、ビザはいらないはずだ。請求される方が変なんだけど…。 ネタが多いので次のページに続きます・・・ Location ■ピティオン駅Pythio StationPythion, Evros, Eastern Macedonia and Thrace, Greece

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 9 テッサロニキ  6:00 — 起床。7時のバスに乗るため、6:20頃宿を出た。平日万歳!バスステーションが開いている!テッサロニキまでの片道チケットを14.50€でゲット。11時に着くらしい。宿をさっさと決めることができたら、探検できそうだ。   11:00 — テッサロニキに着いた。‥‥で、ここは何処だ?市中心部のバスターミナルに着くつもりだったのに、なんだか郊外っぽい雰囲気。建物の外に出てみてターミナルの上を見上げたら『マケドニア』と書いてあった。新しくオープンした長距離バスの発着ターミナルみたい。ガイドブックの地図にも載らないくらい郊外。なんとかして市の中心まで向かわなければ。 バスターミナルの中で人に尋ねまくって、30分もかかってようやく市内行きのバスに乗ることができた。  テッサロニキは「観光地」というよりも、ギリシャの人たちの日常が広がる大都会だ。私が訪れた時は街全体がかなり埃っぽくて、雨が降るまで洗わない習慣なのかなと思ってしまうほど、どの車も字が書けるほど真っ白だった。肩から掛けていたバッグを抱きしめて、周りの物にこすらないようにして隙間を歩いた。大きな道路はどこも車と人のカオス。都会すぎて寛げそうになかったので、翌日には発つことにした。 でも、デルフィの寒かったあの日に死ぬ程欲しかったジャンバーとかパーカーとかが、安い値段で売っている。今日は暖かいので、買おうとは思わなかったけど、こういうところに普通の服は売っているんだなぁと思った。観光地の店先には、民族衣装みたいなデザインの服や、ギリシャの有名な革製品ばかりが並んでいて、自分がそれを身につけるイメージはまったく湧かなかった。  とりあえず分かりやすそうな場所でバスを降りた。 初めて間近に見たエーゲ海は、あんまり綺麗じゃない。ここは都会だから仕方ないのかな。ガイドブックの地図を見ながらツーリストインフォメーションまでバックパックを背負ったまま1kmほど歩いたけど、その場所にインフォメーションはなかった。地図や安宿情報をもらおうと思ったのにな。仕方がないのでガイドブックに載っていた安宿を2軒ほどたずねた。1軒めは35€を30€にしてくれたけど、2軒めは、30€を18€にしてくれたので、そこに決めた。18€って、ギリシャに来て最安。私が開口一番「やっすい部屋ある!?」と聞いたからだろう。「まぁまぁ、先に部屋を見てきなよ」と言われて私が部屋を見ている間に、宿のおじさん達は私に宿代をいくら提示するかの作戦会議をしていた。部屋はあんまり綺麗じゃないけど、明日発つから問題ない。宿の人はノリの良い関西人みたいな人。「明日の朝発つから、先に宿代を払っても良い?」と聞くと、「Why not?!」と返って来る。関西弁の「なんでやねん!」に聞こえてしょうがない(笑)テッサロニキってギリシャ第二の都市で、日本でいうところの大阪みたいな位置づけの都市だからか、そんなことを思った。 テッサロニキ国鉄駅 荷物を部屋に置いて、まずテッサロニキ国鉄駅に向かった。宿から歩いて10分ほどで駅に着いた。なんだか必要最小限な感じで、「国際列車が行き来する」と聞いて想像したような広くて複雑な駅ではなくて、とても分かりやすい駅だった。インフォメーションでイスタンブールへの行き方を聞いたら、毎日朝7:20に出て、21:30にイスタンブールに着くそうだ。電車代は40€。6000円弱で国を超えられる。イスタンブールへはバスも出ているようだけど、たぶんバスより安いので電車にした。国境のピシオン駅で乗り換えがあるという。大丈夫だろうか‥‥。イスタンブールに夜着くというのもまた怖い。でも、ここで悩んでいても仕方ない。チケットを買いに窓口に行った。ところ【INTERNATIONAL TICKETS】売場が閉まっている。隣の窓口のお姉さんに聞いたら、うーん、と言いながらぐるりと辺りを見渡して、    「17時には戻ると思うわ」    嗚呼、シエスタ! テッサロニキ国鉄駅 チケット購入窓口 はじめてのエーゲ海  国際列車は前日までに予約をしておいた方が良いので、17時にまた駅に戻って来ることにして、テッサロニキの観光に出かけた。テッサロニキは、ビザンティンの影響が強く、都会の街中にポコっと古いビザンティン建築の教会や城壁が現れる。たくさんある教会の中でも格式の高い古い教会を訪れると、お菓子をもったおばちゃん達がたくさん集まって、談笑しながら教会が開くのを待っていた(またしてもシエスタで閉まっていた)。 こんな大都会なのに、ペットショップをよく見かける。アヒルやガチョウが猛烈にプッシュされて売られていた。エーゲ海沿いのニキス通りには高級ホテルが並び、アリストテルス広場周辺にはオシャレなカフェがずらりと並んでいる。でも今日はカフェじゃなくて、ちゃんとご飯を食べたい気分。カランバカでの3日間、まともな食事をしてないから。 市場の様子 なぜかアヒルがたくさん売られている シエスタ中で入れなかった教会 二キス通り 市場のタベルナ  街をぐるぐると見て回ってから、17時頃再び駅に行って窓口でイスタンブール行きのチケットを買った。それから中央市場をうろついて、早い時間(18時頃)から人が入っていたタベルナを覗いてみた。下町的な雰囲気ががなんだか良い感じだ。市場の中の店なんて絶対美味しいでしょ。と思って、店に入る。メニューを見ながらどれにしようか悩んでいると、お客と一緒になって食事をしていた店のおじさんが、「あれだったらキッチンの中見る?」と声をかけてくれたので、見せてもらうことにした。キッチンの中には10種類ほどの料理がガラスケースの中に入っていた。野菜を細く切ってバルサミコで和えたサラダと、貝のピラフみたいな料理を頼んだ。(パンは勝手に出て来るんだけど、カバーチャージを取られている)うーーん、久しぶりのちゃんとしたご飯は格別!でも、量が結構多いので食べるのが大変。 ギリシャの人たちは、この多めの料理を数人で囲んで、長時間お喋りをしながら食べる。楽しそうにトークしながら長居している常連客を見ていると、一人でいるのが少し寂しくなった。それでも、美味しいご飯を食べて体力も気持ちもかなり回復した。 お腹もいっぱいになって、11€(1540円)だった。やっぱり一人で食べるには少し高いと思う。今日は宿代が安いから、まぁいいか。 さぁ、明日はいよいよトルコへ向かう。 市場の中のタベルナ 久方ぶりのちゃんとしたご飯♪ Location ■テッサロニキ国鉄駅Thessaloniki Railway StationMonastiriou 28, Thessaloniki 546 27, Greece

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 8 カランバカの朝  7:00 — 起床。ベッドの上で今後の旅のおおまかな計画を練った。とりあえず明日の電車でギリシャ第2の都市・テッサロニキに行き、少し観光してからトルコのイスタンブールを目指そうと思う。テッサロニキからは国際列車が出ているのだ。   10時頃、宿を出て町に向った。途中、路上に果物屋が出現していたので、大きなオレンジを指差して「ポーソ カーニ?(いくら?)」と聞くと、「1€」と店のおじいさんが笑って教えてくれた。1つもらうことにしたら、吊るしたバケツにゴロンゴロンとオレンジを入れて測っている。1€/1kgだったみたい。大きなオレンジ3つで、1kgを遥かに超えてたけれど、1€にしてくれた。お金を渡す時、おじいさんは、両手で私の手を包んでからお金を受け取った。その幸せな笑顔に私も幸せな気分になった。 見上げれば絶景のカランバカの町 カランバカ駅  それからカランバカ駅に向った。明日の電車の時刻を確かめていると、英語の危ういおじさんから、「テッサロニキ行きはまだないよ」みたいなことを言われた。昨日の事があるので、そんなに驚かなかったけど、さて、どうやってテッサロニキに向おう?  私が考えこんでいると、おじさんは英語がもう少しできる駅員さんをつれて来てくれた。その人はカランバカからパレオファルサロスという国鉄の主要路線と繋がる駅までバスで行って、そこから電車に乗れば良いと教えてくれた。どうやって行くかは解ったけど、乗り換えがやや不安。二人にお礼を言ってから、昨日も訪れたバスステーションに向った。窓口の女の人に、「テッサロニキに行きたいんだけど」と聞くと、7時ジャストにダイレクトのバスが出ていると教えてくれた。それはラッキー!でもちょっと朝早い気がしたので、他の便はどうかと聞くと、あとはトリカラで乗り換えがあるとのこと。ダイレクトの方が安心なので、明日はがんばって早起きすることにした。チケットの購入は明日の朝で良いとのこと。 カランバカ駅 空手道場…? 食料調達  ようやく移動手段が決まったので、スーパーで少し買い物をした。インスタントでいいので、どうしてもコーヒーが飲みたい!スーパーで荷物にならない10袋入りのネスカフェのインスタントコーヒーを0.7€(98円)で買った。それから私の好みの食生活からはどうしても不足しがちな脂質と鉄分の補給のために、ナッツとレーズン(0.91€)も買った。ダンがナッツばかり食べていたので真似してみたのだ。移動の時、キャンディやガムじゃなくてレーズンやプルーンを食べたら栄養も取れて良いじゃないの。旅の間は節約も大事だけど、健康にも気を使わないと‥‥。  ところで、コーヒーといえば、ギリシャのカフェでメニューを見ると、だいたい何処の店でも、コーヒーの欄の一番上(一番安いコーヒー)に『Nescafe』と書いてある。アメリカでファミコンを『ニンテンドー』と言うごとく、こっちでコーヒインスタントコーヒーといえば『ネスカフェ』。コーヒーを買うのに、「ネスカフェ1つ」と頼むのは最初抵抗があったけど、もう慣れてきた。もちろんカプチーノやフレーバー、フラッペなどもある。ラテはあまり見かけない。  お昼に一旦宿に戻って、宿の共同キッチンでお湯を湧かして早速さっき買って来たコーヒーを入れて、パンにジャムをつけて食べた。あぁコーヒー幸せ!そして、朝、露店の果物屋で買ったオレンジを食べてみる。おいっっしい!!なんでこんなに美味しいの!今までの私の人生で一番美味しいオレンジだった。ギリシャ人って毎日こんな美味しい果物を食べているんだろうか。甘みが強くてジューシーで酸味も絶妙!びっくりした。きっと燦々と輝く太陽のおかげだろう。野菜も果物も驚くほど甘い。明日の朝一番大きいのを食べよう。  15時頃、宿の近くにある11世紀のビザンティン教会に行った。シエスタ中で中に入れなかったので、外観だけ見学した。それから町の中をのんびり散策。カランバカにはまた来たいと思う。町自体に何があるというわけではないけれど、上を見上げればメテオラの奇石群が天に届けとばかりに聳えて、梺にはオレンジ色の屋根の町並が広がっている。朝は朝市、夕方になるとタベルナやカフェから音楽が聞こえ出す。町の中心に行けば適度に賑やかで、どの通りにも動物がいる。  明日朝が早いので、早めにチェックアウトをした。部屋はあけておいて良いとのこと。夕飯はオイルサーディンとパンをかじった。1食1€程度。やればできるじゃないの。 スーパーで大きなパンとジャムとオイルサーディン、コーヒーを調達 ネスカフェ最高 Location ■カランバカKalampakaG, Kalampaka 422 00, GREECE

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 7 月曜日の朝  ハッピーマンデー!店が開いている!昨日の夜は本当に暖かくてよく眠れた!髪も洗えた!洗濯物も乾いた!やっぱり宿は大事! 7:00 — 起床。支度をしてから町の中心部に降り、公衆電話から家に電話をかけた。ブログが更新されていないからと心配されていた。そんなに頻繁にネットカフェに行けないんだって!次に長期旅に出るときは、PCとネット環境を整えて行こうと心に誓う。ただ、持ち歩くの重いな……。 特に家では変わったことはない様子。電話を終えて、郵便局で妹にポストカードを送り、パン屋で朝ごはんのクルーリを買った。 宿の猫 宿の猫ズ 早すぎる再会  『地球の歩き方』に載っているメテオラ行きのバスストップ(バス停ではなく、広場にあるポイント)でしばらく待ったけど、バスが来る気配なし。またこのパターンですか。ハプニングにも、もう慣れてきた。 水を買うついでに売店のおじさんに尋ねてみたら、「メテオラ行きはない。100m先のバスステーションで確かめてみろ」という。わけが分からずバスステーションへ。ところがとても混んでいて、窓口に行くには相当時間がかかりそう。 近くにいたおじいさんに尋ねてみると、さっき私がいたところでいいという。やっぱりそうだよね、とガイドブックの情報を信じて元の場所に戻り、バスを待つけど、やっぱり来る気配がない。それなのに、通りすがりのおじさんが「メテオラ行きはそこでいいよ!」なんて声をかけていく。 どっちだよ! 棒立ちしていても寒いので、歩き回っていたら、昨日別れたダンとデイビットから「キヨ?」と呼び止められた。 早すぎる再会!  彼らが言うには、確かにバスはいつもはここから出ているんだけど、今はオフシーズンなので、そもそもバスが運行していないらしい。 そういうことか!英語圏の人の英語は分かりやすくて助かる!(笑) 今度こそちゃんとした情報を確かめにバスステーションへ行くと、やっぱり今の時期はバスがないとのこと。 タクシーでメテオラ山頂まで行くには5€かかる。高くつくなぁ……と思っていると、ダンが「3人でシェアすれば大丈夫さ!」と言ってくれた。 嬉しい!また仲間に入れてくれるのね! タクシーを捕まえて、メテオラ山頂にあるメガロ・メテオロン修道院まで向かった。間近で見る奇岩群は圧巻。かつてメテオラには24もの修道院が建てられたという。現在残っている修道院は6つ。 メガロ・メテオロン修道院 メテオラ観光  ダンが「僕らは2つ、3つ修道院を見て、歩いて村へ降りるつもりなんだけどいい?入場料が2€ずつかかるしさ」と言うので、「いいよ」と返事をした。私もそのつもりだった。  二人は今日中にここから西のイオアニナに向かうという。 「今日中!?」 びっくりして聞き返すと、「僕はゆっくり旅をするのが好きなんだけど、デイビットは素早く回って世界中を見てまわりたいんだよ」とダン。 コルフ島では少しゆっくりしたいとダンは言ってたけど、デイビットはゆっくりなんて絶対しないと思う……。  メガロ・メテオロン修道院に無事に到着! 修道院では服装について決まりがあり、ジーパン姿だった私は入口で「あなた、女の子よね?ダメよー」みたいなことを言われ、巻きスカートを借りてジーパンの上から巻き付けた。 「似合う似合う」とダンが笑う。  メテオラ最古のメガロ・メテオロン修道院はすごかった。中のイコン(宗教画)や博物館は威圧的なほど豪華。 キリストを中心にして使徒や天使が囲むドーム状の壁画、拷問の数々を描いたイコンに終始鳥肌が立ちっぱなし。金の飾りがたくさんついた重々しい衣装に、金ぴかのレイピアや銃を身に着けた人物が、旗を掲げて人の首を刎ねている。 室内に流れるビザンティン音楽を聞きながらそれらを見ていると、「何のために?」と問いたくなる。 じっくり時間をかけて見学してから、テラスに出た。一気に頭がタイムスリップから抜け出したような感じがした。 日本人のツアーの一行がいて、日本語が聞こえてくる。 ダンが近くにいたアジア系の男の子たちに、私たち3人一緒の写真を撮ってくれるように頼んだ。ファインダーを覗いて「わぉ!身長が!」と笑われた。 私は152センチしかないし、デイビットは2m以上あるからね。 「ドレミかな?」 「いや、ミドソだろ?」 などと盛り上がっている。  それからしばし休憩。ダンはトイレに行き、デイビットはどこかに行った。日本人のおばちゃんたちのシャッターを押してあげたりしていると、さっき写真を撮ってくれたアジア系の男の子に写真を撮ってくれと頼まれ、「いいよ」と手を差し出したら、 「違うよ、一緒に写ってほしいんだ」 と言われて、なぜかひと様の写真に写り込んだ。 ダンが笑いながらその様子を見ていたので、ダンの方へ歩いて行くと、 「彼ら、日本人?」と聞かれた。 「違うよ。『イーアルサン』って数えてたから中国人だろうね」と答えたら、 「そっかー、僕には言葉が分からないよ」だって。 いや、私だって分からないよ。 「ミドソ組」記念撮影 ダンからバナナもらった 修道院を飾るイコン 双頭の鷲の紋章 カストラキ村へ  メガロ・メテオロン修道院でかなり時間を使ってしまったので、あと一つだけ見学してから下山することにした。 ダンとデイビットは、今日の15:15カランバカ発のバスに乗らなければならない。 すぐ近くのヴァルラアム修道院に行ってみたけど、月曜日は休館日だった。あと一つをどこに絞るか作戦会議をして、帰り道に立ち寄れるルサヌ修道院に行くことにした。 1時間くらい歩いて、ルサヌ修道院に到着。この修道院は尼僧院で、こぢんまりとしていて、あまり見るところはない。でも、とても手の行き届いたこぎれいな修道院だった。 ここの見学はさくさくと終わったので、下山することにした。 ダンとデイビットが泊まっているキャンプ場があるカストラキの村を目指して歩いていく。 ダンからパンとオリーブを分けてもらって、お腹いっぱい。 道中、素敵な草むらを見つけて「いいわーー!」と写真を撮っていると、ダンが首をひねって、 「う~~ん、グレイトな……草むらだね!」と言った。 ダンがデイビットに聞こえないように声を落として、 「デイビットの言葉はアクセントが強いから、聞き取りにくいんじゃない?オーストラリアのなまりでさ」と言うので、 「そもそもデイビットはあんまり喋らないしね。あ、でもさっき、トゥダーイ(today)とかマンダーイ(Monday)とか言ってたね」と言うと、 「そうそう、ソレだよ!」とニコニコしながらダン。 可愛いおじちゃんだなぁ、ダンって。 まさかこんなところで、高校生の時に授業で習ったオーストラリア英語のなまり知識が活用されるとは思わなかった。 二人で笑っていると、デイビットが振り返って、 「キヨ、大丈夫か?」とニッコリしたので、 「大丈夫、歩くの好きだから!」と片手を挙げて返事をした。 バッグに付けている万歩計を見ると、今日はすでに10キロ歩いていた。 そのうち、二人が泊まっているキャンプ場が見えてきた。二人はこれから荷物をまとめて、カランバカを発つのだ。 キャンプ場の前で、 「会えて本当に良かったよ」と言って握手をした。 「安全な旅をするんだぞ」とデイビット。 「イスタンブールでまた会おう!」とダン。 本当にお世話になりました!最高に素敵な人たちだ。どうもありがとう! ダンとデイビット ルサヌ修道院 グレイトな草むら カストラキここまで 修道院、下から見たら カランバカに延泊  二人と別れて、カストラキの村からカランバカの町まで歩いて帰った。途中、この寒いのにノースリーブを着こなす金髪美人のお姉さんから「メテオラはこっちで合ってる?」と聞かれて「うん」と答えたけど、美人に動揺して「結構遠いよ」と言いそびれた。 カランバカに戻ってきてからネットカフェに行き、友達にハッピーバースデーのメールをして、そのまま1時間ほどチャットした。その後、スーパーでオイルサーディンとジャム、パン屋で大きなパンを買った。全部で1.2€いかなかった……。こうやって食いつなげばいいんだ。 ちゃんとした食事は病気しない程度に数日置きでいいや。旅のお供にビタミン剤を持って来たのはかなり正解!  昨日の夕方この町に着いたので、まだ少し物足りなくて、明日までここにいることにして、宿のオーナーに延泊を告げた。 このオーナー、とてもひょうきんで面白い。 明日はカランバカの町を、じっくり散策しようと思う。 Location ■メガロ・メテオロン修道院Holy Monastery of Grand MeteoronG, Kalampaka 422 00, GREECE

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 6 海外あるある移動トラブル 4:30 — 起床。 どのみち寒くて眠れないので、朝6:30発のラミア行きのバスに乗ろうと、町外れのバス停に向かった。けれど、バスも来なけりゃバスステーションも開かない。辺りは当然真っ暗で、星がまだきらめいている。 チケット売り場のおじさん、明日ここに来いと言わなかったか? 極寒の中、1時間くらい待っても全然バスがやって来る気配がないので、仕方なく再び宿に戻って待つことにした。 宿に戻ったとて震えるくらい寒いんだけど……。 9:00 — 再びバスステーションに行った。 その頃にはバスの乗客らしき人たちがいて、バスステーションのドアを引っ張ったり叩いたりして、首をひねっている。 あ、そうか! その時、天啓のごとくひらめいた。 日曜日だ! このあたりじゃ、ほとんどの店が日曜日は徹底して営業しないけど、まさかバスステーションまで営業しないだなんて! アテネから一緒だった中国人の女の子二人連れがバスを待っていたので、挨拶をして、「バスのチケットはどうしようか」「まぁ、バスの中で買えるだろう」などと話をした。 ギリシャの乗り物で無賃乗車すると、罰金がすごいのだ。抜き打ち検査にひっかかると、どんな理由があろうとも運賃の40倍の料金を払わされるらしい。怖い怖い。でも今日は仕方ないよね。だって買えないんだから! 中国人の女の子二人は英語が上手で、発音も良くてうらやましい。40日間旅をするのだと言うと、「遺跡に興味があるのね。でも、いくつも見てると全部同じに見えてこない?」と聞かれた。 まぁねぇ……。 「それでも自分の目で見たいの」と答えた。 二人はこれからアテネに戻るのだという。 10:30過ぎに、10:15発のラミア行きがやってきた。二人と別れてバスに乗り込む。 私のほかには、外国人男性バックパッカーが二人。 バスの中でラミア行きのチケットを6.50€で購入。昨日、バスステーションのおじさんは7.80€って言ってなかったっけ?コミッション込みの料金だったのかな。日本と違って至る所で手数料が発生するから、日本人は戸惑うよね……。 パーティー結成 ラミアまでは2時間だと聞いていたのに、1時間かそこらでバスが停まった。車掌さんが「ラミア、ラミア」と叫んでいる。 「ここ、ラミア?」 後ろを振り返って背の高い男の人に尋ねると、「違う。ラミアは乗り換えだ」とのこと。 えーーー、聞いてないし……。 どことも知れない場所で、ラミア行きのバスを待つことになった。あ!そういえばデルフィで会ったケンブリッジ在住のご主人が、「ここまで来るのが大変だった」って言ってた!詳しく聞けば良かったよね……。  さっきの男の人に「どこまで行くの?」と聞くと、「カランバカ」と言う。 「電車で?」と聞くと、 「バスだよ」と。 バスもあるの?? 私はラミアで電車(OSE)に乗り換えてカランバカに向かうつもりだったんだけど、ラミアについての情報が何もない。人口4万人以上の町らしいので、どこかで地図くらいは手に入るだろうと考えていたんだけど……。 私は咄嗟に、「一緒に行ってもいい?」と聞いた。絶対その方が確実な気がした。 男の人は笑顔で、「もちろん! ついておいでよ!」と快く承諾してくれた。 バス停でその人と話をしていると、デルフィから一緒だったもう一人のバックパッカーの男性がやってきた。 背が低くて、禿げたおでこと肩までの長い髪がヒッピー風に見える彼の名前はダン。カリフォルニア出身だとか。 最初に話をした、身長が軽く2m以上ある男の人はデイビット。オーストラリア人だそう。 デイビットがダンに、 「カランバカまで、この娘が一緒に行きたいってさ」 と説明すると、ダンが明るい声で、 "Sounds good! We’ve got a party now!(僕らはパーティーになったね!)" とニコニコしながら言った。ドラクエの仲間が増えた時の音が聞こえる。 移動の不安がなくなって、ちょっとほっとした。しばらくして、乗り換えのバスがやって来た。長距離バスは良い。重たいバックパックはバスの下に入れて預かってくれるし、車内は暖房が入っていて暖かい。 走ること1時間。ようやくラミアに到着した。 そして私は唖然。 目の前はガソリンスタンド。 荒涼とした風景の中、日曜日のため働く人すらほとんど見当たらない。 絶対、電車の乗り場なんて探せない。 「はーーー」と嘆息していると、デイビットがバスの運転手と話をして戻って来た。 バスは2時間待ちで、カランバカの一つ手前のトリカラという町でもう一度乗り換える必要があるという。 時間があるのでランチにしようか、ということになった。 食事ができる店を探して歩くけど、どこも日曜日なので開いてない。これはもう「日曜日の恐怖」としか言いようがない。やっと見つけた店で料理の値段を聞くと、チキンが1皿10€と言われた。結構高いので、スーパーで食料を調達することにした。 私が菓子パンを買うと、ダンから、「そんなジャンクなものを食べて……」と言われた。 道ばたでパンを水で流し込みながら話をした。 ダンは旅を始めて3か月、デイビットは1年になるんだそう。 私は友達が4月の末にギリシャに来るから、後で合流するんだと言うと、 「日本から?いいねぇ」とダン。 ダンはよくお喋りをする、優しくて楽しい人だ。 逆にデイビットは無口。黙々と歩いていく。 デイビットはオーストラリアに奥さんと子供がいるんだって。どうして1年も旅ができるんだろう? ここで乗り換え?え、無理。 ギリシャ正教会のカミラフカを着用した司祭様(帽子のてっぺんにつばがあるのでたぶん…) ラミア行きのバス カランバカ到着  それから1時間くらい待って、ようやくトリカラ行きのバスが来た。 トリカラまで7€。一昨日からの猛烈な寒さと、この移動の疲れがどっと出てきた。バスの中でウトウトしながら、今日は暖かい宿に泊まろうと心に誓う。 トリカラまで2~3時間。それからまたバスを乗り換え、カランバカまで40分。   体力の限界だと思っていたのに、ダンが指をさして教えてくれたメテオラの幻想的な奇岩群に圧倒されて、完全に目が覚めた。 空に向かってそびえる400mを超える巨大な奇岩。その上に建つ修道院。麓に広がるオレンジ色の町並み。 カランバカでバスを降りると、ダンとデイビットは、さらにメテオラに近いカストラキの村で宿を探すか、キャンプをすると言う。 私は疲れていたので、カランバカで休むと告げて、 「明日また会うかもね。本当にありがとう」と言って彼らと別れた。  さて、また一人になった。 バックパックを背負って、立地の良い安宿を尋ねたけど、改装工事中だった。 少し遠いけれど、デルフィで出会ったケンブリッジ在住の日本人夫妻から教えてもらった宿を訪ねてみようかと思って、緩い登り坂をのぼり始める。 もっと遠いかと思ったけれど、町から10分ほどでたどり着けた。 これが、すっごく綺麗な宿! トイレ、バス、暖房付きで、ベッドは大きくてふかふか。 共同だけど、冷蔵庫とキッチン用品は全部自由に使って良いとのこと。もちろん、いつでもお湯が使える。 これで25€! オーナーは楽しい人だし、もう値切る気にもならずに即決。 ベランダの椅子の上でネコが昼寝をしている。 5€でこの差かぁ……。 荷物を部屋に置いて、早速デルフィでできなかった洗濯をした。 やっぱり宿は大事だと痛感。寝るだけなんだしと思っていたけど、旅先ではそこしか帰る場所がないわけで。 夏ならともかく、寒いからといってカフェに入ったりしていては、余計にお金を使ってしまう。少し学習した。 それにしても、メテオラとカランバカは居心地が良い。 少しここでゆっくりしたいと思った。 カランバカ到着 宿を探して巨石に向かってゆるい登り坂を行く 素敵宿・アルソスハウスの外観(2005年当時) 暖房万歳!! カランバカで早めの夕食  一息ついてから町に降りて、ネットカフェの場所を確認。明日は友達のバースデーなので、メールしないと。 宿への帰り道、おじさんばかりがたまっているファストフード店でスブラキピタと水(2€)を買ったら、席に座って食事していたおじいさんが、ここに座りなさいよと手招きしてくれたので、相席させてもらって、一緒にテレビを見ながら食事した。2€(280円)でお腹いっぱい。 それにしてもテレビではハチの巣とハチミツの映像が流れていたのだけど、なぜかテロかなにかがあったような物々しい放送だった。現地リポーター、目まぐるしく変わる解説員、忙しく流れるテロップ、みたいな。大事件なのだろうか。ハチがぶんぶん飛んでいる。 しかし後になってギリシャのニュースはこういうものなのだというのが解って来た。 Location ■カランバカKalampakaG, Kalampaka 422 00, GREECE

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 5 デルフィ遺跡  昨日は寒くて寒くてなかなか寝つけず、明け方、少し暖かく感じはじめたころには、凍死とはこんなものかと考えたりした。8時まで寝て、町の入口にあるバス停へ、明日のラミア行きのバスを確認しに行った。ラミアで電車に乗り、いくつか乗り継いでメテオラに向かうつもりだった  バス停に行く途中、60代くらいのアジア系の品の良いご夫婦に「日本の方?」と声をかけられた。「そうです」と答えると、「まー、こんなところで日本人に会うなんてねぇ」と奥さん。 二人はメテオラからデルフィにやってきて、これから遺跡を観光するのだという。このご夫婦は日本人だけど、イギリスのケンブリッジ在住とのこと。ギリシャやトルコでは、他のヨーロッパの国々からやって来た日本人に多く出会った。シーズンでもないこの時期、アジアからわざわざやって来る人は少ない。純粋に遠いもんね。 ご夫婦から、メテオラ観光の足場となるカランバカの町のお勧めの宿を教えてもらった。私がバスの時刻表を見に行くのだと言うと、「ここまで来るバスは本当に大変だったよ」とご主人。乗り継ぎで、不便な場所で2時間待ったとぼやいていた。  二人と別れてバス停へ。ラミア行きは6:30、10:15、15:00と、一日に3本あるみたい。お土産屋兼キオスクみたいなバスステーションでチケットの値段を聞くと、7.80€。2時間で着くという。 10時のバスでいいかな。でも夜までにはカランバカで宿を決めなければならない。かといって、朝6時半のデルフィの寒さを考えるとぞっとする。 手書きのバスステーション 手書きの時刻表 遺跡探索  バスの時間は後で考えることにして、今日は絶対行っておきたいデルフィ遺跡の観光に向かった。 チケット売り場で博物館の見学料込みのチケットにするかと聞かれたけど、3€をケチって「Ruinsだけでいい」と言った。ガイドブックに解説が載ってるから良いってことで。 せっかくこんなところまで行ったんだし、博物館は見れば良かったよね……。  デルフィは、最高神ゼウスが「世界の中心」と定め、ゼウスの息子であるアポロンが神託を授けた、古代ギリシャを代表する聖地。 世界遺産デルフィの古代遺跡は、神託が行われたアポロン神殿を中心に、山の斜面にしがみつくように造られている。周囲の山々の荘厳さもあいまって、観光地というよりも、今もなお「聖域」なのだと感じる大きな遺跡だった。 アポロン神殿にはかつて、『汝自身を知れ』という格言が掲げられていたとか。 古代劇場やスタジアムは本当に綺麗に残っている。古代劇場の観客席は、今でも普通に座れる。 スタジアムでは、観光にやってきた中高生くらいの男の子たちが一斉に駆け出し、陸上競技の真似事をしていた。その中に、さっきバス停の近くで会ったケンブリッジから来たご主人を発見して、「若いなぁ」と微笑ましく思った。 21年後の補足 2026年現在、古代劇場の観客席や舞台部分への立ち入りは制限されている。2005年当時は何気なく観客席に座ってトラックを眺めていたけれど、今となっては貴重な体験だったらしい。 アポロン神殿 デルフィの古代劇場(現在は立入禁止) 古代の陸上トラック(現在は立入禁止) カスタリアの泉  デルフィ遺跡から少し離れたところにあるカスタリアの泉(ストーカー避けになるから是非行くように、と友人に言われていた)と、マルマリア(アテナ・プロナイア)の神域を訪れた。 カスタリアの泉…? アテナ・プロナイアの神域 休憩  遺跡を堪能した後、町に向かって歩いていると、かっちょいい男の子4人組が手を振って、一緒に写真に写れと言うので写った。 腰に手を回すあたり、きっとイタリア人(偏見です)。 でもキャッキャとしているので、変な気があるわけじゃない。  町に戻って来て、寒さのあまりカフェに入った。サンドイッチとココアを注文(6.5€)。もうすぐシエスタの時間だよなぁと思いながら、暖かいので2時間くらい居座って、日記や手紙を書いた。 もう少し暖かければ安宿で充分だけど、寒い時期は暖房必須かもしれない。洗濯物は乾かないし、外を歩き回ったのにお風呂に入れないのも辛い。次の町では食費を抑えて、少し良い宿に泊まろうかと考えた。 ここがどのくらい寒いかといえば、室内で上着を着ていても、ガタガタと震えが来るほどだ。あまりの寒さに、思わず家に防寒着を取りに帰りたくなった。  ここ数年でユーロがとても強くなっていて、ギリシャの物価は安くない。サンドイッチひとつ買っても2.4~3€(480円)くらいする。 どうやって節約しようかと考えながらミニスーパーに入ると、食パンがたくさん入って1.5€ほどで売っていた。 これで食いつなげば2日くらい持つのでは?? 今度からそうしよう! スーパーで晩御飯用に、インゲンのトマトソース煮のような缶詰を買って食べた。これがとても美味しくて大正解♪ 0.3€の菓子パンを半分かじって、残りは明日の朝食べることにした。 ホットココアとサンドイッチ ミニスーパーでゲット Location ■デルフィ遺跡 Archaeological Site of DelphiDelphi 330 54, Greece

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 4 アテネからデルフィへ  6:00 — 今日からアテネを離れてデルフィに移動しようというのに、外は嵐みたいな天気。早起きしたのになぁ……。ちょっと宿で時間を潰して、8時頃、ようやく風が落ち着いてきたのでチェックアウトしようとすると、受付の横で宿のおじさんが椅子に腰掛けたまま、うなだれて寝ていた。申し訳ないけど声をかけて、チェックアウトする。今日のおじさんは、いつもの「カブ」のおじさんじゃなくて、紳士的な人だった。  昨日調べておいたバス停へ向かう途中、クルーリ屋台を発見! 朝ごはんのクルーリ(Koulouri)を買った(0.30€)。「アフト パラカロー(これください)」など、少しだけギリシャ語にチャレンジした。 それにしても今日は異常に寒い! 暖かい飲み物が欲しくて、コーヒーショップに入ってカプチーノを買うと、1.90€。高っ! せっかくクルーリが安かったのに。カプチーノって万国共通で高いんだわ。  さて、バス停へ向かう途中のペリープテロ(キオスクみたいなところ)でバスの乗車券を0.45€で買って、『地球の歩き方』に載っているバス停で待つこと10分。バス停に無造作に貼ってある、走り書きのようなギリシャ語の貼り紙になんとなくイヤ~~な予感がする。 もう少し待ってから誰かに聞こうと思っていると、バス停にやってきたおばあちゃんからギリシャ語で声をかけられた。一生懸命説明してくれているのだけど、さっぱり言葉がわからない。 身振りから察するに、たぶん「バスは手を横に挙げて合図しないと停まらないのよ。私がお手本を見せてあげるから見てなさい」と言われているように思う。バスが通りかかって、おばあちゃんが片手を水平に挙げるとバスが停まった。  停まったバスの行き先番号が私の乗りたいバスと違ったので、乗り込んで運転手さんに聞いてみると、最近乗り場が変わったらしい。「その角を曲がって50mくらい先だよ。024番だから」と教えてくれた。  教えてもらったバス停で待っていると、間もなく024番のバスがやってきた。ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク似の運転手のお兄さんに「リオシオン・ターミナルに行きたい」と言うが、通じない。実は昨日もバスのチケット売り場で聞いてみたんだけど、通じなかった。「Liossion」の発音が違うみたい。 仕方ないので、こんなこともあろうかと準備しておいた必殺プラカード(メモ帳に大きくギリシャ語で「リオシオン・ターミナル」と書いたもの)を見せた。 「ここに行きたいの? 乗りなよ」 やっと通じた(笑)。  バスの中はアナウンスが一切ナシ。“そのあたり”にやってきたら、手すりについているボタンを押してバスを降りるという仕組みなんだけど、“そのあたり”がわからない旅行者なので、運転手のお兄さんに「着いたら教えて」とお願いして、一番前の席に座った。 ターミナルっぽい場所を通りかかったとき、運転手のお兄さんがバックミラー越しに絶妙な目配せをしたので、"Thanks!"と言って席を立とうとすると、「まだだよ!」と言われた。紛らわしいことしないで、ジェームズ。運転手のお兄さんが親切に「次だから」と教えてくれたので、無事にリオシオン・ターミナルにたどり着けた。ターミナル? バスの収納庫なんじゃ……? って感じの場所だった。 クルーリはギリシャの伝統的なパン。 リオシオン・ターミナル 長距離バスで移動  ターミナルの中に入って、デルフィ行きのチケットを11.80€で買った。リオシオン・ターミナルは長距離バスが出ているターミナルで、待合室には大きな荷物を持った人がたくさん座っていた。 私もそこに座ってバスの到着を待っていると、6~7歳くらいの男の子が私の膝の上に紙切れを置いていった。他の客にも同じように紙を配り終えた男の子が戻ってきて、私の顔をうかがう。 紙にはギリシャ語で何か書かれていた。私には読めないけど、たぶん「お金ちょうだい」だろう。私は「NO」と言って、他の客がしているように、紙を床に捨てた。男の子は、同じ年頃の子供とは思えないほど深刻な顔をして、いなくなった。 こういう時、お金をあげるかどうかは人それぞれだけど、何かを感じて考えることは大事な事だと思う。  10:30 — デルフィ行きのバスがターミナルに入ってきた。バックパックをバスの下に載せて、バスに乗り込む。長距離バスは全席指定。自分の席がわからなくてうろうろしていると、ガタイの良いお兄さんがチケットを見て、席を教えてくれた。 隣の席になったマダムと話をすると、彼女はデルフィで宿を経営しているという。「よかったらおいでよ」と誘われたけど、何気なくガイドブックを見たらBクラスのホテルだったので諦めた。  山がちな道を3時間ちょっとかけてバスは進む。車内には、ラジオから少し古く感じるような曲が流れてきた。高橋真梨子の『駅』をアップテンポにしたような歌だ。 出発して2時間経った頃、トイレ休憩があった。トイレに並んでいると、二人連れの中国人の女の子たちが、たまたま目の前が空いたので、途中から割り込んだ形でトイレに入った。別に急いでなかったので気にもしていないでいると、後ろにいたイタリア系のお姉さんたちが、 「あなたが先だったのにね!!」とご立腹。 また別のおばちゃんが入ろうとしたので、お姉さんたちが「このセニョリータが先なのよ!」と言ってくれた。周りの人全員に「ありがとう」と言って、トイレに入ることになった。  休憩からしばらく山道を走って、途中、絵に描いたように可愛いアラホバという町を通った。ぎっしりと詰まったオレンジ屋根の家に、石畳の道。タイプは違うけど、サントリーニと張る可愛さかもしれない。 ここで、バスに乗るときに席を探すのを手伝ってくれたお兄さんが降りていった。この町はスキーができることで有名なんだとか。 スキーやってそうだなぁと思って後ろ姿を眺めていると、お兄さんが振り返って、私にパチリとウインクした。 カーーッチョイーー、そのウインク! 私もやってみたい! でも顔が濃くないとムリなウインクだ。  細い道を大型バスと大型トラックがすれ違う。「おぉー! メルセデスダンプ!」と喜んで写真を撮るも、その後に見るバスもダンプもなんでもかんでもベンツ製で、面白くなくなった。ヨーロッパでは頑丈さを求められる大型車にメルセデス・ベンツが多いみたい。 アテネ→デルフィ行きのチケット メルセデス・ダンプ デルフィ到着  そんなこんなでバスは目的地・デルフィに着いた。 今日は朝から寒かったけれど、ここは山の上なので吹きつける風が死ぬほど冷たい。桜が咲き終わり、菜の花の匂いが町中にしているのに、この寒さ! ひとまず宿を探すことにした。大通りを歩いていると、宿の前に立っていた客引きのおじさんと目が合った。せっかくなので部屋を見せてもらうことに。 ものすごく良い部屋だった。 ダブルルーム、バス・トイレ・朝食付きで35€だという。バス・トイレ共同ならどうかと聞くと30€。高いだのああだこうだと言っていると、朝食なしにして25€にしてくれるという。 ものすごく良い部屋が、あっという間に10€下がる。 そそれでも節約の鬼姫(友人が命名)たる私は、「寝るだけなんだぞ」と思って他を見てみることにした。結局、別のペンションで20€の部屋を見つけて、そこに決めた。 アテネじゃないんだし、もう一声欲しかったけどなぁ。 だけど後から猛烈に後悔。 今日は寒すぎる。 暖房のあるさっきの部屋にするんだった。 E20の安宿 奥に光っているのはコリンティアコス湾 タベルナに初挑戦  それにしても田舎は良い。一眼レフカメラも気軽に出せる。聖なる山に囲まれたオレンジ色の町を探索しながら、写真を撮って回った。 それからお腹が空いたので、タベルナ(食堂)に初挑戦。オリーブオイルのスパゲッティとグリークサラダを注文した。 でも量が絶対一人前じゃない。フェタチーズがどーんと乗ったグリークサラダは、キュウリ、トマト、ピーマン、タマネギなどの野菜を、チーズとオリーブオイルと一緒に食べる。フェタチーズは塩辛いけど美味しい。(後で塩辛くないフェタに出会って、これにハマった) スパゲッティは「ウソでしょ?」と思うほど太くて、アルデンテのアの字もない。さらに上からチーズ攻め。でも、これが案外いける。 量が半端じゃないので、どちらも半分くらいしか食べられなかったけど、とても美味しかった。全部で10.50€。贅沢した。 でも、たまにはマトモな食事を入れないと、病気したら元も子もないので良いことにした。  そそれからまたちょっと町の中を散策して、夕方、宿に戻った。寒すぎて耳当てが欲しい。 夜はさらに気温が下がり、大変なことに。 安宿だから当然暖房はないし、シャワーのお湯もぬるま湯程度。間違いなく風邪をひきそうな気がして、髪は洗わなかった。ドライヤー持ってないもの。 少ない服を4枚着込んで寝た。 伝統的なギリシャのベッドは、布団や毛布じゃなくてラグのようなものを掛けて寝るようになっているみたいで、まるで暖かくない。 4枚重ねてみたけど、重たいだけ……。 グリークサラダ ごん太パスタ Location ■デルフィ Delphi