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ギリシャに行こう。エーゲ海を見よう。心の声がそう言った。 社会人になって5年。仕事にも慣れてきて、ちょっとマンネリな日々。 時々、一人きりになりたくなったりする。一人きりじゃ生きていけない事は解っているにもかかわらず。誰も私を知っている人がいない場所で、自分の考えたいことだけを考えて自由でいれたら。そんなことを思う。大事なものの大切さを忘れてしまう前に、何かこう、動く必要があるのかなと思った時、一番最初に思い付いたのは、一人旅だった。 一人でどこかに行くなんて、地元の九州から関西までしか行ったことがない。海外旅行の数だって、そんなに多い方じゃない。だけど、なぜか『そんな事ができるだろうか?』なんてことは一つも思わなかった。『できるかできないかは問題じゃない。やるかやらないかだ』と思っただけだった。そこで、会社と家族と友達に旅に出ることを告げた。福岡−アテネ間の90日間オープンチケットを12万くらいで買って、出発日を3月末にした。ゴールデンウィーク頃に友達と現地で待ち合わせようなんて事を、ノリだけで企画してみたりして、とてつもなくお気楽でアバウトな計画を立てた。 出発まで、旅の準備は少しずつしていったけど、具体的なプランはまるで考えなかった。ガッチリと予定を決めてしまわない方が良い気がしていた。自由な旅なんだから、自分を目標に向って急き立てる必要もないわけで。何をしたっていい。何もしなくたっていい。そんな旅に憧れたんだから。それこそ気に入った土地があれば、旅の期間中ずーっとそこに居て、絵を描いたり、本を読んだりしても良いと思っていた。でもそこはやっぱり私。「せっかくならいろいろ見てまわらなきゃ!」という貧乏性のおかげで、じっとしていられないに決まっている。案の定、そうだった。 これは、そんな私の40日間の旅の記録です。