Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 16 ギョレメ探索に出発 ぐっすり眠って、さわやかに起床。レセプションに降りていくと、オーナーの息子さんが、すぐに朝食を持ってきてくれた。オーナー自慢のクルミの木を見ながら食べる。昨日の晩は何も食べてなかったので美味しい。 9時頃、ギョレメ村の探索に出発……したのだけど、ものすごい強風で、ハードコンタクトレンズではとても無理! 途中までがんばったけど断念して、いったん宿に戻ってソフトレンズに変えてから、帽子をかぶって再出発した。 向かい風の方向にある博物館は後回しにして、歩いて30分くらいのところにあるギョレメパノラマに向かった。道路を通る車の人全員が手を振っていく。めずらしいんだろうなぁ、こんなところを一人で歩いているアジア人って。実際、人っこひとりいなかった。 危険なんだろうな、ってことはわかる 帽子とソフトコンタクトで再出発 ギョレメパノラマ ハプニング 坂道を登ったり下ったりして、ようやくそれらしきところに着いた。 白っぽい岩が一面に広がる不思議な景色だ。こんな風景があるんだなぁ。強風の中、必死に写真を撮った。閑散とした景色だけど、黄色や桜に似たピンクの花(アーモンドの花かな?)があちこちに咲いていて、岩肌の白にとても映えている。 たくさん写真を撮って、村に引き返そうと15分ほど下った頃、ポケットに手を入れて、サイバーショットがないことに気が付いた。 ヤバい! 絶対どこかで落とした! ポケットのチャックを閉じないまま、一眼レフを構えて立ったりしゃがんだりしながら写真を撮っていたからだ。風が強すぎて、落ちた音も聞こえない。 慌てて戻ると、道の途中に落ちていた! よかったぁ!! 白い砂利道にシルバーのボディだったから、誰にも拾われなかったのね。 サイバーショットはコネタ用に使っていて、危うく警察に行って「変な虫の画像が入ったデジカメを落としました」と言うハメになるところだった……。 何より友達から引き継いだカメラなので、なくしたくない。今日はありえない強風で、注意が散漫になっている。気を引き締めていこう。 突進してきた未確認生物 UFO MUSEUM ギョレメ野外博物館 昼過ぎにだいぶ風がおさまってきたので、ギョレメ野外博物館に向かった。ギョレメ野外博物館はギョレメ村から歩いて行くことになっているのだけど、博物館までの道が恐ろしく閑散としているので、本当にこっちで良いのか不安になる。しかも結構遠い。 途中、『UFO博物館』なる看板を見つけた。 『We're not alone in universe』などと書いてある。かなり怪しい。 20分くらい歩いて、ようやくギョレメ野外博物館にたどり着いた。ここには岩窟教会がたくさんあって、キリストの生涯を描いた美しいフレスコ画などが残っているのだ。 入口の近くで、ありえないような変な服装の日本人男性に出会った。折り畳み自転車を必死にこいで登ってきて、ぜいぜいと息を切らしている。 「自転車、余計きつくないですか?」 と聞くと、 「きついです……」 と笑っていた。 入場料を払って中に入ると、さっきの男の人は、学生証を出して学割があるかどうか聞いていた。 「ほんとに学生ですか?」 と訝しんで聞くと、 「まさかぁ」 と。カイロで学生証を偽造してきたのだそうだ。 彼はシリアから来たんだって。どうりで変な格好してると思った。 彼からはヨルダンで入国拒否された話を聞いた。 「鼻の先でライフルを持った軍人が、命令口調でお前はあーだこーだって言うんですよ。だから『Pleaseくらいつけろコノヤロー』って言い返したら、8時間取り調べを受けた上に、『お前の入国は認められん』って言われちゃって」 と、でたらめな人だった。 「反抗的なこと言わなければ入れましたよ、たぶん。勉強になりましたね」と話をした。 ギョレメ野外博物館 ギョレメ野外博物館 トルコアイス・ドンドゥルマ 岩窟教会は、岩に穴をあけたり、削ったりして作られている。中の造りが地上の教会とほとんど変わらないので驚いた。フレスコ画も美しい。 特に美しいのがカランルク・キリセ(暗闇の教会)らしかったけど、ここは別料金と言われたので、悩んだ末に見学をパスした。全部見ていては、入場料がかさんでしまう。 そのかわりに、屋外博物館の入口の手前にあるトカル・キリセという教会を訪れた。 受付のおじさんに入れるかどうか聞いただけなのに、なぜだかとても気に入られてしまって、 「君だけは写真のフラッシュも許可しよう!(通常フラッシュ禁止)」 「柵の向こうの祭壇に立ちなさい。(当然侵入禁止)写真を撮ってあげよう」 などと過剰なサービスを受けた。 あげくチャイまでご馳走になって、次にやってきた韓国人カップルにびっくりされた。トルコ人の日本人好きは異常だ。 受付のおじさんにさよならを言って、休憩所と売店があるところに歩いて行くと、のび~るアイス、ドンドゥルマを伸ばしていたおじさんがいたので、写真を撮らせてもらって、アイスを一つ買った(2YTL)。 バニラだけで良いと言ったのに、 「レモンとチョコも食べてみなよ」 と、いろいろくっつけてくれた。 アイスクリームを食べていると、足元に黒い小犬が寄ってきてアイスを欲しがったので、近くに座って一緒に食べた。 通りすがりの欧米人が、笑顔で手を振っていく。 一人のおじさんなどは、車をわざわざ止めて「ラブリー、ラブリー」と言いながら、写真を撮っていった。 日本人と小犬とトルコアイス。 そんなにめずらしいのだろうか……。 あとで写真を送るから、と言われて、おじさんとメールアドレスを交換した。 のび~るアイス・ドンドゥルマ 子犬とアイスを一緒に食べる 本当に送られてきた写真 ケバブサンドとエルマチャイ ギョレメ村に戻ってきてから、ケバブサンドを2.5YTLで注文して食べた。お店のお兄さんが、 「飲み物は?」 と聞いてきたので、水があるからいいと答えると、 「エルマチャイの方がたぶん美味しいよ」 と言って、チャイをサービスしてくれた。カッパドキアに来てから普通のチャイではなく、エルマチャイをよくごちそうになる。 それからネットカフェに行ってブログを更新。ギリシャへ渡るフェリーの時間や出港日を調べたけれど、まだ曖昧だった。1週間前にならないと時間などは確定しないらしい。次の町でまたチェックしなくちゃ。 それからオトガルに行って、明日のセルチュクへ向かう夜行バスのチケットを買った。案外高い。まぁ、遠くまで行くしね……。 ケバブサンド エルマチャイ ローズバレーの夕日 19時近くになったので、スーパーに寄ってから宿に帰ろうとしていると、偶然、宿のオーナーとその友達から、 「キヨ?」 と呼び止められた。 「今からサンセットを見に行くんだけど、一緒に来ない? それからビール飲むだろう?」 とオーナーが言ったので、 「うん!」 と言って、一緒に着いて行くことにした。だって地元の人が日頃から見に行きたくなるサンセットなんでしょ。 ビールも、私が手にしていたお菓子も、全部おごってもらった。「悪いから払うよ」と言うと、 「君はうちのゲストじゃないか!」 とオーナー。紳士だ。 車は、地元の人しか知らないような山の上に停まった。ここにも岩窟教会の跡がたくさんあって、そこで風を避けながら、満月のような夕日を眺めた。 トルコのビール(エフェス)もなかなか美味しい。エビスビールに感じが似ている。 目の前にギョレメの奇石。横には地層が美しいローズバレー。 なんて贅沢な時間を過ごしているんだろう。 日が沈むまでそこでゆっくりしてから、これから散髪に行くというオーナーに村まで送ってもらって、宿に戻った。 宿への帰り道、ビール瓶を持って歩いていると、通りを行く男の人から、 「うわ! 酒飲んでるの!? オーマイガッ!」 と言われた。 イスラム教徒の多い国だから、女性がビール瓶を持って歩いている姿は珍しかったのかもしれない。 まぁ、日本では私もビール瓶を持って出歩かないけどね。 ローズバレー ローズバレーの夕日 絶景とエフェスビール Location ■ギョレメ野外博物館 Goreme Open Air Museum50180 Göreme/Nevşehir Merkez/Nevşehir, Turkey
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 15 サフランボル→アンカラ 今日は一度アンカラまで出てから、カッパドキアに向かう。到着は20時頃の予定。結構遠い。宿の人がわざわざ私のために6:30に朝食を準備してくれた。 チャルシュの広場からミニバスに乗って、クランキョイの町にやってきた。特にバス停が決まっているわけじゃないから、降りたい場所で運転手に声をかけなきゃならないんだけど、昨日クランキョイからチャルシュまで歩いていなかったら、降りる場所がわからなかったかもしれない。道を覚えていたので「ここクランキョイだよね!?」と言って飛び下りた。 クランキョイのバス会社でアンカラまでのチケットと、アンカラからネヴシェヒルまでのチケットを買った。アンカラのオトガルは大きいと思う。アンカラはトルコの首都だ。 ドイツの医学生と異文化交流 アンカラ行きのバスがやって来た。バスの中で隣の席になったドイツの大学で医学部に行っているという女の子と話をした。「あぁどうしよう。私、英語があんまり得意じゃないの。ドイツ語の方がベター。あなたドイツ語はどう?」 まさか私が大学生のとき、第2外国語でドイツ語を専攻していたなどとは言えない。彼女はトルコ人なんだけど、ホリデーでこっちに戻って来ていて、これからドイツに帰るところなのだという。「なぜわざわざドイツの大学に行ってるの?」と尋ねると、ドイツの方が沢山学べるのだそうだ。彼女曰く「トルコの医者はね、たいてい触診や目で見て判断するだけなのよ。だから勉強したい人は外国に出て、機械を使った勉強をするの。私もトルコで勉強したかったんだけど、母親がドイツで勉強するべきだって言ってね‥」と言っていた。彼女からは一人旅は危ないと相当念を押された。「外国で一人旅なんて、怖くないの!?」とばかり言われた。「そりゃぁ時々不安な時もあるけど、次の瞬間素敵な事がいっぱいあるからね」と答えると、「そう‥。でもお金はバッグに入れちゃだめよ。体のどこかにくっつけとくこと!」と言って、私だってそうしてるんだから、とボヤいていた。 トルコの地図を広げて私のトルコの旅のプランを説明すると、「ねぇ、その計画は誰かから聞いたの?」と言うので、「自分で決めたけど、どうして?」と聞くと、「カッパドキアなんかは解るわ。でもなんでサフランボルなんだろうと思って。サフランボルにはたくさんの日本人がやって来るから、いつも不思議だったの」と、長年の疑問をぶっちゃけられた。「旅行会社のツアーはどうだか知らないけど、多くの日本人は、こういうヒストリカルな場所が好きなんだと思う」と説明した。 「トルコは好きよ。料理が美味しいしね」と言うと、「そういえば、日本人はピラウ(トルコ式ピラフ)を沢山食べるけど、どうしてそんなに細いの?私たちがそんなに食べたら、見る間にデブデブになっちゃうわ!」と彼女。日本人だって、そんなにばくばくご飯を食べたら太ります。「日本ではお米を油で炒めて食べるばかりじゃないのよ」と答えた。「へぇ、どうやって食べるの?」「水だけで炊くのよ」「物足りなさそう」「そうだなぁ、スープみたいなの(味噌汁)とかと一緒に食べるかなぁ‥‥」とても説明に困った。 アンカラ到着 そうこう話しているうちに、アンカラに着いた。アンカラのオトガルもまた、日本のバスターミナルの比じゃない。まるで空港だ。彼女と別れて、カッパドキア行きの乗り場を尋ねて回ったけど、声をかけた人みんな英語がダメで、オトガル職員の男女に尋ねたら、「お前、英語話せる?」「無理よ」とつっつきあって、最後には「インフォメーション!」とエスカレーターを指差した。オッケー!それだけわかれば充分です。 2階のバス会社のオフィスで乗り場を教えてもらって、売店でチーズとハムのサンドを買って食べた。出発の20分くらい前に、荷物をバスに詰め込もうと思って、乗り場に行くと、教えられたバスと違うバスだった。教えてくれたおじさんは笑いながら「ドンマイ!こっちだ!」ってかんじだ。ジャストの時間に私が行ってたらどーするのよ!まぁ間に合ったからいいけど。 メトロの長距離バス ギョレメ到着 今回乗ったメトロのバスは、あんまりサービスが良くなかった。残念。5時間ちょっとかけて、バスはネヴシェヒルに到着。それからセルヴィスに乗り換えて、観光しやすそうなギョレメ村まで向かった。ギョレメのオトガルに着いたのは、21時頃。近くに安くて良い宿を見つけて、そこに決めた。レセプションでエルマチャイをいただきながら、オーナーと話をした。オーナーは英語が堪能で、日本が大好きらしい。日本人の友達が欲しいんだけど、宿には学生しか来ないんだと悲しんでいた。宿代が安いからですよ、きっと。 宿の前には大きなWALNUT(クルミ)の木があって、オーナーの話では、この木は200歳で、オーナーのおばあさん(世代が合わない気がするから曾祖母なのかも)が植えたものなのだという。オーナーがこのホテルを建てた時に、もう1本、クルミの木を植えたそうで、こちらは11歳。大きなクルミの木の後ろにちょこんとあるのがそれだ。共に時を重ねるFamily Treeを大事にするオーナーの姿勢は、なんだか素敵だなぁと思う。 レセプションのテレビには、MTVみたいな音楽番組が映っていた。歌手の男の人が、トンネルの中で歌いながら歩いていて、ぼこぼこに車に跳ねられるというPVだ。そのクレイジーっぷりに大笑いしてしまった。オーナーは、「彼はLOVEを歌ってるんだ。センシティブにね。LOVEは人をクレイジーにさせるってことさ。でも、これはコメディだね。歌詞は情熱的なんだけどなぁ」と言っていたが、何度見ても吹き出す。明日はギョレメの村を見てまわるつもり。 WALNUT HOUSEのお部屋(2005年当時) オーナー自慢のくるみの木(推定200歳) Location ■ギョレメGöremeGöreme, Nevşehir Merkez/Nevşehir, Turkey
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 14 サフランボルの朝 チャルシュでの朝は、山鳩の鳴き声で目が覚めた。下の階に降りていって、朝食をお願いすると、とても綺麗な朝食が出てきた。パンに蜂蜜、バター、2種類のオリーブ。それにトマト、キュウリ、ゆで卵。コーヒーも付いてて、とても満足。 9時過ぎに宿を出て、町の地図と、明日のバスの情報を仕入れに、ツーリストインフォメーションに向かった。インフォメーションのお兄さんがとても良い人で、明日カッパドキアに行きたいと言うと、バスの予約までしてくれた。そのお兄さん曰く、「君みたいによく笑う日本人は初めて出会ったので、なんだか照れるよ」とのこと。日本人のツーリストはそんなに無愛想なのだろうか。ちょっと心配になった。インフォメーションでコーヒーまでごちそうになり、チャルシュの町を探索開始。 石畳の坂道(というか斜面に石を突き刺したような道)を時々足を滑らせながら登り、大きな家を見てまわった。昔のトルコは昔の日本と同じように大家族だったので、家の一つ一つがとても大きい。今建っているものが、100年~200年前の建物なのだそうだ。その昔、サフランの花が咲き乱れていたからサフランボルという名前が付いたというので、サフランの花を探してみたけれど、見つからなかった。サフランが咲くのはだいたい10月頃なので、それもそうか。 通りすがりのお店の前でなぜかイチゴをいただいた。一眼レフを首に下げたまま、道端を歩いていると、子供たちが遊んでいた。「写真を撮ってもいい?」とカメラを持ち上げて笑いかけると、一番年上の女の子が他の子たちを集めてくれた。ずっと人の写真を撮りたかったので嬉しかった。お礼に一番おチビちゃんにさっきもらたイチゴをあげた。 宿の綺麗な朝食 かわいい子どもたち サフランボル散策 すり鉢状の町をずっと上に登って行くと、町を見渡せるフドゥルルックの丘に辿り着いた。しばらくそこで景色を眺めたり写真を撮ったりしていると、イタリア人っぽい女の子から、「あなたと写真を撮りたいんだけど、いいかしら?」と頼まれて、一緒に写真に写った。こっちに来てからというもの、アジア人が少ないせいか、やたらと写真を撮られる。しばらくすると、大型バスがやってきて、今度は日本人のツアー客がどっと押し寄せてきた。その中の一人のおじさんから声をかけられ、しばらく話しをした。みなさん関東から来られたそうだ。「一人で回ってるの?たいしたもんだ!」と感心されたけど、いろんな人に助けてもらったから来れたのだ。記念にと、そのおじさんからも写真を撮られた。『トルコで出会った奇人』などというタイトルが付きませんように。 その丘では、他にも個人旅行中の千葉から来た男の子に会った。彼は、イランからトルコ入りしたそうだ。「こんな不安定な時期に行ったりして!」と非難めいた口調で言うと、「そうでもないっすよ、今なら安いかなぁと思って」と、周りの心配や迷惑は顧みずといったご様子。こういう考えはあまり好きではない。ちゃんと周りのことも考えて旅することが私はマナーだと思う。私だってトルコ東部のVanなど、中東に近い地域へ行ってみたいけれど、絶対に両親が心配するので、行かないことにしている。 それから、サフランボルには家の内部を公開している旧家がいくつかあるので、そのうちの一つを訪れた。日本で言うなら、京都の映画村みたいな所だ(一軒家だけど)。昔の衣装を身に着けた人形が、各部屋に置かれていて、昔の生活を再現しているのだけれど、当時のお風呂であったと思しき場所に、男性の人形が入れてあった。たぶん、裸で置いておくのにちょっと抵抗があったのだろう。裸にショールを巻かれていた。これは余計に変じゃなかろうか‥‥?突っ込み所が満載の旧家だった。 お昼頃、いったん宿に戻った。トルコでは公衆トイレが有料なので(0.50YTL前後)、休憩は宿ですることにしている。入口に昨日は会わなかった宿のオーナーが座ってくつろいでいて、一緒にお茶を飲もうと誘われたので、ホテルの入り口に座ってお茶を飲んだ。近所のレストランの人、通りすがりのおじさんが、挨拶を交わしてはお茶に誘われて、そこにちょっと座っていく。日本でも田舎はこんなかんじだよね。「ちょっとあがっていきんしゃい」状態だ。私が27歳だと言ったらみんなびっくりして、「22くらいだと思ってた!」と言われ、27歳は世界的に若くないことを痛感した。 オスマン帝国時代の伝統的な木造家屋(オテリ・ハウス)が今も数多く残る 邸宅博物館 「カイマカムラル・エヴィ(Kaymakamlar Evi)」 いや、変だって! アイノルと観光 13時頃、アイノルの店に行くと、アイノルはかわいいをワンピースを着て戸口で待っていた。「なんでそんなにお洒落してるの?」と聞くと、私の観光に付き合ってくれるのだそう。ボーイフレンドに店を預けて一緒にサフランボルの町を見て歩いた。一人じゃ辿り着けなかったところまで隅々案内してくれて、モスクでの手足の洗い方や、水飲み場の使い方、それからレース編みなども教えてもらって、とても楽しかった。 アイノルは英語が苦手だと言う。少し長い英文を使うとわからなくなってしまうので、お互いに単語を並べ、ガイドブックに載っているトルコ語と日本語を照らし合わせながら話した。明日の朝、ここを発つと伝えると、とても悲しそうな顔をして、「次はいつ来るの?今度はうちに泊まってね!」と言ってくれる。本当にありがとう。次に来る頃には、ボーイフレンドと結婚してるんじゃないかな。 お腹が空くまで観光して、彼女のカフェに戻り、お手製のマントゥをいただいた。作り方も見せてもらった。ニンニクとヨーグルトを混ぜ合わせたソースを、小さなラビオリのようなものにかけて、その上から油とトマトペーストと香辛料を混ぜたものをかける。最後にミントの葉を散らしてできあがり。ヨーグルトにニンニクって日本人には全然馴染みがないと思うんだけれど、意外と美味しくてびっくり。私はアイランが好きだからかなぁ。ちなみにマントゥは、中国の「饅頭」とルーツを同じくするともいわれる、シルクロードを渡ってきた料理なのだ。その後、デザートにバグラワも食べさせてもらった。パイの蜂蜜漬けでとても甘い。トルコ料理は美味しいし、お菓子は甘いし、このまま食べ続けていたら確実に太りそう。若い女性はとてもスレンダーなのに、年配の女性はふくよかな人が多い気がする。 アイノルは「今晩こそうちに泊まっていって」と言ってくれたのだけど、明日の朝が早いので、起こしてしまうのも気の毒だと思って遠慮して、住所を交換してお別れをした。 アイノルと別れた後、PTTでテレホンカードを買って、公衆電話にカードを入れたら、電話が繋がらない上に、カードが出てこなくなってしまった。ヘアピンで引っぱり出そうと試みたけどダメで、通りすがりのお兄さん達に助けを求めた。「この電話、壊れてるんだよ」と言って、相当頑張ってカードを引っ張り出してくれた。すごく助かった。ありがとう!いつの間にか応援団みたいな人だかりができていて、カードが抜けると拍手が起こった。 お礼を言って、別の電話から家に電話すると、父が出て「おぉ、まだ生きとったか」と言われた。まだまだ死にそうにありません。 アイノルと観光💕 レース編み奮闘中! アイノルお手製のマントゥ Location ■サフランボルSafranboluÇarşı Meydanı (Carsi Square), Safranbolu, Karabük, Turkey
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 13 イスタンブールからバスでサフランボルへ 昨日の夜は何も食べてなかったので、朝からもりもり食べた。ブレックファスト・インクルードはありがたいなぁ。 今日はイスタンブールのオトガルから、サフランボルに向かうため、9:30に宿を出た。少し早めにオトガルに着いて、バス会社に行くと、おじさんが身ぶりで私のバックパックを荷物置き場に置いておきなさいと教えてくれて、2階の待ち合い室でチャイをいただいた。 11:30 — バス出発。すごく大きなバスだ。中に蝶ネクタイのお兄さんがいて、お茶やコーヒー、お菓子などを持ってきてくれる。バスが出発すると、レモンの香りのコロンヤを手にかけてくれた。これが全部サービスなんだからすごい。座席は、カップルや夫婦は別として、女性は女性同士で固められる。 トルコではバスが快適だ。最新型のバスで乗り心地もすごく良い。途中、一回休憩が入って、約8時間バスに乗っていた。16時頃ドライブインに入ったので、変な時間だしな、と思って何も食べないでいると、通路を挟んで隣に座っていたおじさんが、パンをたくさんくれた。中にオリーブが入ったおいしいパンだった。おじさんは英語を話さなかったので、すべてアイコンタクトだった。 サフランボル行きバスチケット オトガルでごちそうになったチャイ サフランボル到着 18:30 — サフランボルのオトガルに到着。町の中心部に行くために、セルヴィス(送迎バス)を使うはずなんだけど、待ち構えていたタクシーのおじさんが、「セルヴィスはないよ、タクシーで行くしかないんだ」と声をかけてきた。そんなことがあるもんか。バスの運転手に聞くと、やっぱりちゃんとあった。ああいうタクシーに乗ったら絶対ボられるんだろうなぁ。 昨日まで泊まっていたイスタンブールの宿で、二人の日本人男性に会ったけど、二人とも相当ボられていた。北海道から来たおじさんは私の宿泊費を聞いてびっくりしていた。彼は「1週間宿泊すれば250US$にしてやる」と言われて、その金額を支払ったそう。 もう一人のおじさんは、宿に入っていた旅行会社で44,000円のツアーを申し込んだらしい。なにゆえ…?私がバスのチケットを買いに行くというと、「ここでも買えると思うよ」と教えてくれたのだけど、せっかくバックパッカーで来てるんだから、自分で現地のバスターミナルを見てみたかったので、オトガルに行ってみると、びっくりするくらい安くチケットが買えたのだ。できるだけ現地の人が利用する方法で観光する。そうやって現地の人と交流しながら、自分で気をつけて判断していれば、必要以上に怖がることはないように思った。優しくて、本当に親切な人は沢山いる。 19:00 — セルヴィスに乗ってサフランボルの旧市街、チャルシュに着いた。広場近くの宿をたずねると、朝食付きで20US$。ギリシャの宿と比べると、めちゃくちゃ安くて良い部屋。この旅で初めてドライヤーが付いた広々とした部屋に感激。疲れていたので、他は見ずにそこにした。 宿に荷物を置いて、軽く夕食を食べようと思って町を歩いていると、パン屋のおじさんにパンをもらった。それから、こぢんまりとしたカフェに入ってみたら、可愛らしい若い女の子が出て来て、「えっと‥‥」と改まってメニューを一生懸命説明してくれた。「軽いのでいいんだけど…」と言うと、ギョズレメを勧められたので、それをお願いした。柔らかいナンみたいなものに、肉まんのあんのような味付けのひき肉が入っていて美味しかった。彼女はアイノルという。熱心に日本語を勉強していて、日本語とトルコ語を並べて書いた、お手製の辞書を作っていた。私が彼女が知りたがっていた日本語を教えてあげると、お礼と言ってトルココーヒーを淹れてくれた。アイノルやボーイフレンド、もう一人の友達とおしゃべりをして、22時頃までカフェに長居してしまった。アイノルとはとても仲良くなって「私は一人暮らしだから、うちに泊まっていけばいいのに」と言ってくれていたのだけど、もう宿に2日泊まると言ってしまったし…。「明日もお昼にまた来るよ」と言うと、アイノルは「明日は私がマントゥとバクラワを作るので、楽しみにしておいて!」と嬉しそうに笑った。 広々とした宿の部屋 アイノルが作ってくれたギョズレメとトルココーヒー Location ■サフランボルSafranboluÇarşı Meydanı (Carsi Square), Safranbolu, Karabük, Turkey
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 12 ブレックファースト・インクルード 今日の朝ご飯は、宿の4階でビュッフェだった。昨日宇多田ヒカルをノリノリで聞いていたおじさん(兄さん?)は、別の日本人宿泊客の男性に「朝食はアヤソフィアの近くだから」と朝から客をからっかって楽しんでいた。朝食は、パンと野菜とチーズと飲み物が数種類あるだけの軽食。それでもギリシャで朝食付きの宿なんかに泊まってなかった私には、とても贅沢しているように思えた。 オトガルへ 朝食後、トラムヴァイ(路面電車)と、メトロ(地下鉄)に乗って、オトガルまで行った。どちらもジェトンというコインで乗る。ジェトンは1枚1.10YTL(約90円)。トラムヴァイは新しくて綺麗で、電光掲示板に次の停車駅が流れるので、とても助かる。ギリシャより解りやすくて、簡単にたどり着けた。 オトガルに着いてびっくり!見渡す限りバス会社!ここに入っているバス会社だけで数百社あるらしい。さすがバス大国と言われるだけのことはある。トルコ語は全く必要なかった。ふらふらと歩いているだけで、「どこ行きたいの?それならこっちこっち!」とバスのチケットが買えるところまで、そのへんにいるおじさんが連れて行ってくれるのだ。 明日の朝、ここからバスで7時間かけて、サフランボルに行こうと思う。その後、カッパドキア、パムッカレ、エフェスなどの世界遺産をめぐるつもり。バス会社のおじさんにガイドブックのサフランボルのページを開いて、「サフランボルに行きたい」と英語で言うと、「あー、サフランボルね!オッケーオッケー!」と解ってくれる。英語が通じる率はギリシャの方が高いけれど、トルコ人はものすごくフレンドリーなので、言葉はあまり気にせずに話ができる。バスのチケットも予想よりも安く買えた。チケットを受け取ると、おじさん達は、ニコニコしながら「チャイ飲んでかない?」と言う。でも新市街で何か食べようと思っていたので、せっかくだけど、と丁寧に断り、再びメトロとトラムヴァイに乗って、新市街に向かった。 トラムバイ停留所 イスタンブールの乗車コイン・ジェトン(金属製)※現在は使われていません※ イスタンブールのエセンレル・オトガル サバサンド エミノニュ駅を降りたら、どーーーんと金角湾が目に飛び込んできた。すっごい!!なんて美しい景色なんだろう!ガラタ橋のたもとは賑やかで、アジア側とを繋ぐ船から人がたくさん降りてきた。イスタンブールは海で隔てられた旧市街、新市街、アジア側の3つの地域に別れているので、船がバス感覚で行き来している。 橋の近くではサンドを売っているおじさんがいて、私を見つけるなり「鯖サンドーーー!」と日本語で叫んだので、私も「サバサンドー!?1つ頂戴!」と叫んで1つ買った。大きなパンに、鯖を開いて炭火で焼いたものと、たっぷりの玉ねぎを挟んでくれる。これで1YTL(80円)! めちゃくちゃ美味しくて、安い!トルコは料理が安くて美味しいので嬉しい。金角湾と、ボスポラス海峡、そしてアジア側のイスタンブールを眺めながら、食べるサバサンドは最高!一眼レフを出して写真を撮った。 サバサンド でかい・安い・美味い 新市街 サバサンドを食べ終えて、ガラタ橋を渡って新市街に向った。ガラタ橋の上では、おじさんたちがずらっと釣りをしている。結構大きな魚も釣れるみたいで、みんなバケツのようなヨーグルトの容器に、釣った魚を入れていた。 こうやって歩いていると、ヨーロッパ人はよく見るけど、アジア系の人は少ない。そのせいで、歩いているだけで、ほぼ全員の男の人が振り返ってまじまじと私を見てにっこり笑っていく。まるで動物園状態‥‥。アジア人で、しかも女性の一人歩きだから、もはや珍獣みたいなんだろうな。バックパッカーの旅行者の中でも、女性一人っていうのはまだ見てないし。夏になれば、もう少しいるのかもしれないけど、今の時期はひたすら珍しいみたい。屈強な男達の中で、一人屈強に旅する私。なんだか脚もたくましくなった気がするのよね、最近。筋肉がついたみたいで‥‥。これはかなり深刻な問題。 新市街側に行って、ガラタ塔を目指して歩いた。結構な坂道だ。靴磨きの少年が、私を見て「Do you love me?」と聞いてくる。その英語はどうかと思うぞ。新市街はアヤソフィア周辺と違って、絨毯屋に誘う人がいないなぁ、と思った瞬間、変な男の人から声をかけられた。ニヤニヤ笑いながら近づいてきて、警察だかツーリストポリスだかのIDカードみたいなものを見せながら、「何処行くの?観光情報を教えてあげるからオフィスに来ない?」と言う。馬鹿なのかなと思って「私はトルコの警察のIDカードがソレなのか知らないし、ポリスがそうやって声をかけて来るのかどうかも知らない。もしあんたが本当の警察でもあんたの助けは必要ないから」と言い捨てて早歩きでその人から離れた。あんなにニヤけたポリスがいてたまるもんか。いくらなんでも分かりやすく着いていっちゃダメな人だった。 ガラタ塔は坂道の途中に立っていた。中に入って展望台に登ると、イスタンブール中が見渡せる。どこまでも広がるイスタンブール。アジアとヨーロッパを繋ぐ街。アジア側を見ながら、日本のことを考えた。 ガラタ塔の展望台から、金角湾に架かるガラタ橋と旧市街を望む 再び旧市街 しばらく景色を堪能してから旧市街に戻り、露店のアクセサリー売りのおじちゃんから2YTL(160円)のピアスを3つ買った。 座り込んで選んでいると、日本語が上手い旅行会社の男の人が話しかけて来た。「日本の何処からきたの?」「福岡だけど?」と答えると「高宮?」と。まさかそんなローカルな地名が出てくるとは思わなくて、「え、高槻のこと?」と聞き返すと、「そりゃ大阪でしょ」と言われた。なんでそんなに詳しいんだろう? それから宿に戻ると、宿の給仕をしている住み込みの男の子から声をかけられて、話しをしながら少し歩こうと誘われたので、近所のスーパーに乾電池を買いに行った。「日本人が一番好きだ。韓国人はベター。中国人はキライ」と彼は言う。中国人はペラペラ喋ってうるさいから嫌いなんだって。確かに、この旅で出会った中国人の旅行者たちは、集団でいることが多くて、話し声も大きかった気はする…。日本人は親切で優しいから好きなんだそうだ。「食事の後にごちそうさまって声かけてくれるのは、君くらいだよ」と言われた。へぇ、そうなんだねぇ。私は「ありがとう・ごちそうさま・美味しかったよ・ごめんなさい」が言えることが、お勉強ができることよりも何より大事な事だと思っている。 道端の露天で買ったアクセサリー Location ■ガラタ橋Galata BridgeSultan Ahmet, Atmeydanı Cd. No:7, 34122 Fatih/İstanbul, Turkey
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 11 イスタンブールの朝 昨日泊まった安宿は、なんと7€。さすがに7€だけあって、狭いわ、うるさいわ、汚いわの三拍子が揃っていた。まぁ、昨夜は本当に寝るだけだったので、それで充分だった。外にいるよりはマシだろう。でも、ここに何泊もする気にはなれなかったので、翌朝チェックアウトしてすぐに宿を出た。 そういえば、このホテルのフロントのお兄ちゃんは、『地球の歩き方』に「フロントのスタッフ」という注釈付きで顔写真が載っていた人だった。人口6649万人のトルコで、写真で見たことのある人に出会うなんて。 最初に訪ねたのは、インターネットを無料で使える宿だった。でも、シングルは一泊30€と言われて諦めた。 もう一軒、ブルーモスクの近くにある宿を訪ねると、フロントでいきなり、「君、日本人?これ知ってる?」と、宇多田ヒカルの「traveling」を聴かされた。 受付に座ったまま、彼は頭を揺らしてノリノリで宇多田ヒカルの歌を聴きながら、「○×△※□◎って、どういう意味?」と、そう聞こえるらしい歌詞について質問してきた。 「うーん、(あなたの言っていることが)わからない」 と答えると、「本当に日本人なの?」と聞かれたので、「その歌のタイトルは『traveling』で、歌っているのは宇多田ヒカルだよ」と教えた。 「ああ、そうなんだ?彼女、有名なの?」と急にご機嫌になり、宿代をスペシャルプライス――本当に特別価格なのかは分からない――の、一泊朝食付き25US$にしてくれた。まぁいいかと思い、そこに泊まることにした。 暖房付きで清潔だし、立地も良く、なかなかの宿だ。洗濯物を乾かすためにも、まだ暖房は欠かせない。暖房器具の上に引っ掛けておくと、すぐに乾くのだ。 荷物を部屋に置いてから、朝ご飯を買いに外へ出た。 7€の宿 アイラン ブルーモスク(スルタン・アフメット・ジャーミィ)へ 数秒後、自称ビジネスマンだという男性から声をかけられた。「どこから来たの?何をしているんだい?困ったことがあったら言ってくれ」と非常に分かりやすく警戒すべき相手だったので、美味しいパン屋やトルコのおすすめなんかを聞いて、食べ物を買ったあと、有無を言わせない笑顔で、「あとは自分でやれるわ。どうもありがとう!」と言って別れた。 ブルーモスク前の公園で、ベンチに座って新聞を読みふけっていた外国人男性の隣に腰を下ろし、朝ご飯にすることにした。誰かが隣にいれば、声もかけられにくいはずだ。 ポアチャという調理パンを二つと、砂糖の入っていない飲むヨーグルト・アイランを買って、2YTL(160円)。ユーロ圏に比べると安いし、とっても美味しい。トルコ料理の味付けは私の好みに合っている。 目の前に立つブルーモスクは、これ以上ないほど均整の取れた美しい建築物だ。朝ご飯を食べ終え、早速ブルーモスクとアヤソフィアを見に行くことにした。 ブルーモスク(スルタン・アフメット・ジャーミィ) ブルーモスク〜地下宮殿へ ブルーモスクに向かって歩き始めること3分。また別の男性が声をかけてきた。「お金ないから」と先回りして言うと、「違うよ!日本人だと思ったから、ただ話したかっただけなんだ。僕は今日フリーだから」と言ってついて来る。 追い払ってもよかったけれど、どうせまた一人になれば別の人がやって来るだろう。そう思い、適当にかわしながら、尋ねなくても勝手に話してくれるトルコの歴史や建物の説明を聞くことにした。 基本的について来られること自体は問題ない。相手について行かなければ良いだけだ。 「こっちは暖かいね」と言うと、「つい二日前くらいまでは、とても寒かったんだ。トルコの天気は変わりやすいんだよ。トルコ人女性の気持ちと一緒でね。日本人女性はそうじゃなきゃいいけど」と返ってきた。「日本人女性も似たようなものだと思うよ」と答えておいた。 まずは、世界で最も美しいモスクと評されるブルーモスクことスルタンアフメット・ジャーミィを見学した。モスクは入場料がかからないので嬉しい。 6本のミナーレ(尖塔)を持つイスラム寺院は、世界的にも珍しい。なんでも、スルタンが「黄金(アルトゥン)で作れ」と命じたものを、建築家が「6(アルトゥ)」と聞き間違えたからなのだとか。 260もある小窓にはステンドグラスが張り巡らされ、そこから差し込む光が、息を呑むほど美しい。 床一面に敷かれた絨毯には、一人ひとりが座るための空間が織り込まれていた。手足を置く場所や頭をつける場所、メッカの方向などが分かるようになっている。 ブルーモスクを見学したあとは、近くの地下宮殿へ行った。まるで『ロード・オブ・ザ・リング』の世界だ。 4~6世紀に造られた地下貯水池で、今も地面には水が溜まり、天井からは時折、ポツン、ポツンと水滴が落ちてくる。一番奥では、メドゥーサの首がゴロンと横向きになっていた。 ただ、ここは、入場料のわりには「ふーん」という感じだった。 精巧な幾何学模様とアラビア文字 ブルーモスクのステンドグラス ドラゴンボール…? 地下宮殿のメドゥーサの首(何故か横向き) アヤソフィア 地上に出ると、さっきの男性がまた声をかけてきた。入場料が必要な場所には、絶対について来ない(笑)。カフェに行こうとか、近くにカズンの店があるから行ってみないかとか言ってくる。「お腹は空いていないし、アヤソフィアに行きたいし、忙しいから、カズンの店には行けない」と言うと、いったん引き下がった。その隙に、さっさとアヤソフィアへ入った。 ビザンツ建築の最高峰、アヤソフィア。 トルコの長い歴史の中で、さまざまな宗教の祈りの場として使われてきたこの建物は、当時は博物館になっていた。そして、入場料は結構高い。日本円で1600円。 内部のモザイク画には損傷の激しいものもあるが、それがかえって、過ぎ去った時間の長さを感じさせる。 アヤソフィアでは、社会科見学らしい子供たちの団体に出会った。 みんな笑顔で、「Hi!」「どこから来たの?」「日本人?」などと声をかけ、手を振っていく。 この可愛い子供たちには、十数年後もこの笑顔のままでいてほしい。少なくとも、「カズンの店に行かない?」とか「良い絨毯屋を知っているんだ」とは言わずに(笑)。 アヤソフィアを出ると、またさっきの男性が待ち構えていた。 「もう疲れたから、ホテルに帰るね」と言うと、「なぜ君は僕の誘いをことごとく断るんだ!分からないよ!ランチもダメ、ディナーもダメ、カズンの店にも行かない。迷惑なら、はっきりそう言ってくれ!」とわめき始めた。 「OK!はっきり言うね。一人になりたいの」と答えると、まさか本当にそんなことを言われるとは思っていなかったような顔をして、彼はしぶしぶ引き下がった。 私が手を振って立ち去ろうとすると、「でも、次に会ったときはディナーに行こう!約束だよ!」と、まだ叫んでいる。 往生際が悪いなぁ。アヤソフィアのそばは、もう通れなくなった。 アヤソフィア内イスラム教の巨大なカリグラフィー円盤 アヤソフィア内キリスト教のイコン グランドバザール いったん宿に戻って荷物を整理してから、今度はグランドバザールへ繰り出した。3分後、また別の男の子が声をかけてきた。「どこに行くの?」と聞かれたので、グランドバザールだと答えると、「一緒に行ってもいい?」と言う。 彼は英語があまり得意そうではなく、客引きとは少し違う印象だった。向かう方向が同じならいいかと思い、話をしながら歩いた。 彼は24歳で、イスタンブール大学の学生だった。政治経済を専攻しているという。本当に大学生なのか少し疑っていたので、イスタンブール大学のそばを通ったとき、「学校の中を見てみたいんだけど、入れるかな?」と聞いてみた。 彼は門を指して、「あそこに警備員がいるだろう?学生証を見せないと入れないんだよ」と言った。まぁ、本当に大学生、なのかな? それから彼は、「イスタンブールには、旅行者をだまそうとする悪い奴がたくさんいるからね。誰も信じちゃダメだよ!ノーバディーだ」と力説した。 あまりの力説ぶりに、「君はどうなのよ?」とは聞けなかった。「みんな君に声をかけたがっているんだから、僕のそばから離れないようにしてね」そう言って、エスコートしてくれた。 一緒にグランドバザールやモスクを見学し、途中でザクロの生搾りジュースを飲んだ。ザクロが大きくてびっくりした。 本当に生搾りなので少し渋い。でも、ザクロには美肌効果や老化を抑える効果があるらしいので、飲んでおかないとね。日本では高いもの。 その後もイスタンブールの街を歩きながら、兵役に行ったときの話や家族の話を聞いた。 彼はしきりに「キリスト教のパパが亡くなった」と話していたけれど、それがまさかローマ法王のことだとは、そのときは思いもしなかった。 テレビもない宿に泊まっていたので、全然知らなかったのだ。トルコではなくイタリアへ行っていたら、大変だったかもしれない。 昼ご飯を食べていなかったので、「トルコの煮込み料理が食べたいんだけど」と彼に相談すると、近くの店で煮込み料理があるかどうかを聞いてくれた。 初めて食べるトルコの煮込み料理、タス・ケバブ。4YTL、約320円。ピラフの上に肉とジャガイモの煮込みがのっていて、とても美味しかった。 友達からの遊びの誘いを何度も断りながら、私の観光に付き合ってくれた。彼は本当に親切な人だったらしい。 私が、「明日はオトガルに行って、バスの時間を調べてくる」と言うと、彼は自分の電話番号を紙に書き、「何か困ったことがあったら電話してね。力になるから」と言って渡してくれた。 日本で、旅行中の外国人にここまで親切にできる青年は、どのくらいいるだろう。 生搾りザクロジュース グランドバザール 店番にゃんこ イスタンブール大学 ネットカフェにて 彼と別れ、宿のすぐそばにあるインターネットカフェへ行った。料金は1時間2YTL、約160円。ギリシャでは1時間3€、約420円だったので、とても安い。 OCNのページにアクセスして、webから自宅のメールをチェックする。すると、信じられないメールが届いていた。 ELLEGARDENのボーカル、細美さんからだ! 『女の子のバックパッカーはマジで危ないから、絶対ヒッチハイクはするなよ!気をつけて行っておいで!帰ってきたらライブで会おう!』 あぁ、もう何にも負ける気がしない。 Location ■ブルーモスクSultan Ahmed MosqueSultan Ahmet, Atmeydanı Cd. No:7, 34122 Fatih/İstanbul, Turkey
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 10 トルコ人家族との出会い やっと落ち着いたかなと思っていると、私が座っていた6人乗りのコンパートメントに、トルコ人の一家がぞろぞろと入ってきた。「乗ってもいい?」と聞かれているんだと思うけど、トルコ語がさっぱり分からない。7人くらいの一家が一斉に私に話しかけてくる。 ‥‥どうしよう、「ジャポン」しか聞き取れなかった。「わー‥‥」という状態の私に、14歳くらいの男の子が自身を指さしながら「タルキッシュ、タルキッシュ!」と説明してくれた。うん、それだけは全力で分かってるよ。可愛い娘さんが「荷物を上に上げてあげようか」とジェスチャーで示してくれるので、足元に置いていたバックパックを荷台に乗せるのを手伝ってもらった。 一家もボストンバッグや紙袋、さらに米などの大量の食材を、荷台に詰め込み始めた。ひと段落してみんながギューギューになって席に着くと、お母さんが歌を歌い始めた。お祭り好きのヌーチョがこれを聞き付けやって来て、自分の国の歌を歌いだした。「最後は君が日本の歌を歌うんだ」とヌーチョに言われて『異邦人』を歌おうと心に決めていたのに、怖い顔をした車掌さんが現れて、家族を怒鳴りつけ、別の車両へと追いやってしまった。 寂しそうな顔をして、娘さんとお母さんが私に抱擁してくれたので、私は何事か解らないまま、ついさっき覚えたばかりのトルコ語で「ギュレギュレ」と言って見送った。見送る側が使う「さようなら」だ。後からヌーチョが「この車両はツーリスト専用で、一般の客は別の車両に乗らなきゃいけないみたいだね」と教えてくれた。「へぇ」とうなずいて、顔を見合わせてから、二人同時に「Stupid(馬鹿らしい)」と言った。 困った人々 それからしばらくして、再びコンパートメントにさっきの車掌さんが現れて、私に「どこから来たの?」と聞いてきた。日本だと答えると、いきなり手にキスをして、「21歳?22歳?」と聞く。「27だ」と言うと、薬指を確かめて「結婚はしていないの?」と言う。シングルだと答えると、「じゃぁ結婚しよう」といきなり結婚を申し込まれた。「私は10年間妻がいない。1人子供がいるだけだ」って、いや、結構ですから。きっぱりお断りをしたら泣きまねをしながら出て行った。これが噂のトルコ男か…まったく先が思いやられる。。。 別の車掌さんからはチャイをご馳走になるし、いたれりつくせりなんだけど。ヌーチョが「他人からもらった飲み物なんかを簡単に飲んじゃダメだよー」と言うけど、そんな事は百も承知だ。でも旅先では、どうしても断れない場面が2割くらいはあるのよ。「それにしても綺麗な女の子には親切だなぁ」とヌーチョは苦笑しながらそう言った。私は綺麗でもないし、むしろ逞しい部類でしょうよ。だから違うんだよ、ヌーチョ。彼らは女の子を見たらとりあえず口説いとくのがマナーだと思っているだけなの。 この電車は、外国から入国する人と、トルコに住む人とで車両を分けてあり、トルコの人が乗る側の車両を探検してきたヌーチョは、「あっちのトイレは汚いし、紙もないんだ」と憤慨していた。観光が大事な産業でもある国なので「お客様は神様です」的な考え方は、ある程度仕方がないとは思う。だけど、日本人客には手を取って歓迎し、トルコ人客には怒鳴り声を上げ、ギリシャ人とは忌々しそうに喧嘩する。その態度の違いを、私はどう受け止めればよいのか分からなかった。ギリシャとトルコの間には長い歴史的な背景がある。ほんの数日旅をしている私が、簡単に良し悪しを語れる話ではないのだけれど。そんなことをぼんやりと考えながら、イスタンブールまでの時間を過ごした。 21時過ぎ、外はもう真っ暗。すると通路の方から子供の声が聞こえてきた。昼間出会ったトルコ人一家が私にお別れを言いに、車掌さんに怒鳴られながら、わざわざ会いに来てくれたのだ。娘さんとお母さんは「元気で旅を続けてね!」と抱きしめてくれた。 車掌さんはルールを守っていただけなのだろう。でも、怒鳴られながらも車両を渡って最後に挨拶をしに来てくれたトルコ人一家の優しさは、ずっと心に残っている。 窓の外にミナレットが見え始めた。どこかのモスクだろうか。イスタンブールに着いたのだ。スィルケジ駅の色とりどりのモザイクは嘘みたいに綺麗。 長旅が終わりみんなが伸びをしながら電車から降りはじめた。ヌーチョは中国人とスウェーデン人のグループと私をまとめて、一緒に宿探しをする気でいるらしい。そろそろ一人になりたいんだけどなぁ…。仕方なく付き合って行ったユースホステルは、改装中で開いてなかったので、ガイドブックに載っていた駅の近くの安宿を提案すると、数人が意気投合。タクシーでそこに向ってみたけど、その日はトルコのホリデーだったため、シングルルームが一部屋しか空いていなかった。年輩の男性が「君はここに泊まったらいいじゃないか」と言ってくれているのに、ヌーチョときたら「えー!一緒に泊まるんじゃなかったの!?」とうるさかったので、無視して一人でそこに泊まらせてもらうことにした。途中まで仲良くしてたけど、最後の最後で、ちょっと残念な人になってしまった。私にその気がないと分かると「タクシー代は君が払うんだよ」だって。ムカっときたので、タクシー代を全額支払ってグッバイフォーエバー。メテオラでパーティーを組んだダンとデイビットが素敵な人たちだっただけに、余計に残念に思った。 Location ■スィルケジ駅Sirkeci StationHocapasa Mah. Ankara Cad., Eminonu, Fatih, Istanbul, Turkey
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 10 テッサロニキから国境駅へ 昨日の夜は宿の中も外もうるさくて、何度も目が覚めたけれど、そのわりには短時間でしっかり眠った気がする。 6:00 — 起床。昨晩、他のお客がシャワーを長時間独占していて、待っている間に眠くなって寝落ちしてしまったので、申し訳なく思いつつも、早朝からシャワーをあびる。 6:20 — チェックアウト。寒くなかったし、18€なのになかなか良い宿だった。 6:30 — テッサロニキ駅に着いた。今日はここから7:20発のIC(インターシティ)で国境を越え、トルコのイスタンブールに向かう。7時に駅のインフォメーションが開いたので、窓口のお姉さんを捕まえて、ピシオン駅というギリシャの国境の駅での列車の接続について聞いた。異国の地で、しかも国境を越えるとなると、どんなものなのか全然想像ができないから心もとない。 窓口のお姉さんにイスタンブールの何という駅に着くのかと尋ねたら、なんでも無い事のように「あら、それは分からないわ」と言われた。本当にそれは重要なことじゃないのだろうか?? たぶんヨーロッパ側からのトルコへの入国は、スィルケジ駅で間違いないとは思うんだけど…。(アジア側からの入国はまた別の駅に到着するらしい) 21:30に駅に着いて宿を探せるのかどうか、この旅始まって最大の不安にぶち当たっていたのだけれど、最悪朝まで駅に居ればいいやという気持ちになっていた。 世界の車窓から ピシオン駅 いよいよ出発 7:20 — IC出発。電車は座席が広くて快適。バックパックは足元に置いて、自転車の鍵で座席の脚にくくりつけた。 ギリシャに来て10日。エーゲ海以外の街や遺跡を巡りながら、北に足を進めてきた。今度ギリシャに戻ってくるのは、友達がやってくる4月の最終週あたり。しばらくギリシャともお別れだ。 とはいえ、『世界の車窓から』をゆっくりと楽しむ余裕もなく、電車の中でトルコについて猛勉強。 メルハバ、テシェッキュレデリム、アラスマラドゥク!トルコ語は舌を噛みそうだ。 14時前、回ってきた車掌さんからパスポートを回収され、「国境でパスポートコントロールがある。それから、15:30の電車に乗り換えるんだよ」と説明を受けた。パスポートを回収されたまま、電車は国境のピシオン(Pithion)駅に着いた。乗り換えの場所は、案内されるがままに着いていって、ここで待てと言われたので簡単だった。私はたいてい心配の方が余計に多い(一人旅はそのくらいで丁度良いのかもしれない)。 同じ電車でトルコ入りするのは、全部で15人くらいで、日本人は私一人。 スペインから来たヌーチョという面白いお兄ちゃんと知り合った。 15:30 — 電車さんがやって来て、乗り込むとパスポートが戻ってきた。国境警備のおじさんやお兄さん達が、ギリシャから去って行く電車を見送る。アメリカ人っぽいお姉ちゃんは、窓から体を半分乗り出して、「ヒューヒュー!」といいながら拳を突き上げていた。私は一人でコンパートメントに座り、扉を閉めて窓を開けた。古びた鉄橋に描かれた青と白のギリシャ国旗が、途中から赤地に白い月と星のトルコ国旗に変わった。国境を越えたのだ。 今度はトルコ側の国境で、パスポートコントロールがあった。そうしているうちに周りが騒がしくなった。ビザがなんとか言っている。なんだろうと思って通路をのぞくと、そこにいたヌーチョが「パスポートを返してもらう時に、10€取られるよ。ビザの関係で」と言った。「そんなの聞いてない」と言うとヌーチョは両手を広げて「僕もさ」と言った。そのうち車掌さんがパスポートの束を持って私がいるコンパートメントにやってきた。車掌さんがトランプのように色とりどりのパスポートを広げて「どれ?」というように私の顔を見た。「Japanese」と言うと、「Japanese?」と言ってパスポートを返却されて、お金は請求されなかった。通路からヌーチョが口パクで「なんでー?」と言っていたので、私も「さぁ?」と口パクで返した。日本とトルコ間では、3ヶ月以内の観光目的の滞在なら、ビザはいらないはずだ。請求される方が変なんだけど…。 ネタが多いので次のページに続きます・・・ Location ■ピティオン駅Pythio StationPythion, Evros, Eastern Macedonia and Thrace, Greece
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 9 テッサロニキ 6:00 — 起床。7時のバスに乗るため、6:20頃宿を出た。平日万歳!バスステーションが開いている!テッサロニキまでの片道チケットを14.50€でゲット。11時に着くらしい。宿をさっさと決めることができたら、探検できそうだ。 11:00 — テッサロニキに着いた。‥‥で、ここは何処だ?市中心部のバスターミナルに着くつもりだったのに、なんだか郊外っぽい雰囲気。建物の外に出てみてターミナルの上を見上げたら『マケドニア』と書いてあった。新しくオープンした長距離バスの発着ターミナルみたい。ガイドブックの地図にも載らないくらい郊外。なんとかして市の中心まで向かわなければ。 バスターミナルの中で人に尋ねまくって、30分もかかってようやく市内行きのバスに乗ることができた。 テッサロニキは「観光地」というよりも、ギリシャの人たちの日常が広がる大都会だ。私が訪れた時は街全体がかなり埃っぽくて、雨が降るまで洗わない習慣なのかなと思ってしまうほど、どの車も字が書けるほど真っ白だった。肩から掛けていたバッグを抱きしめて、周りの物にこすらないようにして隙間を歩いた。大きな道路はどこも車と人のカオス。都会すぎて寛げそうになかったので、翌日には発つことにした。 でも、デルフィの寒かったあの日に死ぬ程欲しかったジャンバーとかパーカーとかが、安い値段で売っている。今日は暖かいので、買おうとは思わなかったけど、こういうところに普通の服は売っているんだなぁと思った。観光地の店先には、民族衣装みたいなデザインの服や、ギリシャの有名な革製品ばかりが並んでいて、自分がそれを身につけるイメージはまったく湧かなかった。 とりあえず分かりやすそうな場所でバスを降りた。 初めて間近に見たエーゲ海は、あんまり綺麗じゃない。ここは都会だから仕方ないのかな。ガイドブックの地図を見ながらツーリストインフォメーションまでバックパックを背負ったまま1kmほど歩いたけど、その場所にインフォメーションはなかった。地図や安宿情報をもらおうと思ったのにな。仕方がないのでガイドブックに載っていた安宿を2軒ほどたずねた。1軒めは35€を30€にしてくれたけど、2軒めは、30€を18€にしてくれたので、そこに決めた。18€って、ギリシャに来て最安。私が開口一番「やっすい部屋ある!?」と聞いたからだろう。「まぁまぁ、先に部屋を見てきなよ」と言われて私が部屋を見ている間に、宿のおじさん達は私に宿代をいくら提示するかの作戦会議をしていた。部屋はあんまり綺麗じゃないけど、明日発つから問題ない。宿の人はノリの良い関西人みたいな人。「明日の朝発つから、先に宿代を払っても良い?」と聞くと、「Why not?!」と返って来る。関西弁の「なんでやねん!」に聞こえてしょうがない(笑)テッサロニキってギリシャ第二の都市で、日本でいうところの大阪みたいな位置づけの都市だからか、そんなことを思った。 テッサロニキ国鉄駅 荷物を部屋に置いて、まずテッサロニキ国鉄駅に向かった。宿から歩いて10分ほどで駅に着いた。なんだか必要最小限な感じで、「国際列車が行き来する」と聞いて想像したような広くて複雑な駅ではなくて、とても分かりやすい駅だった。インフォメーションでイスタンブールへの行き方を聞いたら、毎日朝7:20に出て、21:30にイスタンブールに着くそうだ。電車代は40€。6000円弱で国を超えられる。イスタンブールへはバスも出ているようだけど、たぶんバスより安いので電車にした。国境のピシオン駅で乗り換えがあるという。大丈夫だろうか‥‥。イスタンブールに夜着くというのもまた怖い。でも、ここで悩んでいても仕方ない。チケットを買いに窓口に行った。ところ【INTERNATIONAL TICKETS】売場が閉まっている。隣の窓口のお姉さんに聞いたら、うーん、と言いながらぐるりと辺りを見渡して、 「17時には戻ると思うわ」 嗚呼、シエスタ! テッサロニキ国鉄駅 チケット購入窓口 はじめてのエーゲ海 国際列車は前日までに予約をしておいた方が良いので、17時にまた駅に戻って来ることにして、テッサロニキの観光に出かけた。テッサロニキは、ビザンティンの影響が強く、都会の街中にポコっと古いビザンティン建築の教会や城壁が現れる。たくさんある教会の中でも格式の高い古い教会を訪れると、お菓子をもったおばちゃん達がたくさん集まって、談笑しながら教会が開くのを待っていた(またしてもシエスタで閉まっていた)。 こんな大都会なのに、ペットショップをよく見かける。アヒルやガチョウが猛烈にプッシュされて売られていた。エーゲ海沿いのニキス通りには高級ホテルが並び、アリストテルス広場周辺にはオシャレなカフェがずらりと並んでいる。でも今日はカフェじゃなくて、ちゃんとご飯を食べたい気分。カランバカでの3日間、まともな食事をしてないから。 市場の様子 なぜかアヒルがたくさん売られている シエスタ中で入れなかった教会 二キス通り 市場のタベルナ 街をぐるぐると見て回ってから、17時頃再び駅に行って窓口でイスタンブール行きのチケットを買った。それから中央市場をうろついて、早い時間(18時頃)から人が入っていたタベルナを覗いてみた。下町的な雰囲気ががなんだか良い感じだ。市場の中の店なんて絶対美味しいでしょ。と思って、店に入る。メニューを見ながらどれにしようか悩んでいると、お客と一緒になって食事をしていた店のおじさんが、「あれだったらキッチンの中見る?」と声をかけてくれたので、見せてもらうことにした。キッチンの中には10種類ほどの料理がガラスケースの中に入っていた。野菜を細く切ってバルサミコで和えたサラダと、貝のピラフみたいな料理を頼んだ。(パンは勝手に出て来るんだけど、カバーチャージを取られている)うーーん、久しぶりのちゃんとしたご飯は格別!でも、量が結構多いので食べるのが大変。 ギリシャの人たちは、この多めの料理を数人で囲んで、長時間お喋りをしながら食べる。楽しそうにトークしながら長居している常連客を見ていると、一人でいるのが少し寂しくなった。それでも、美味しいご飯を食べて体力も気持ちもかなり回復した。 お腹もいっぱいになって、11€(1540円)だった。やっぱり一人で食べるには少し高いと思う。今日は宿代が安いから、まぁいいか。 さぁ、明日はいよいよトルコへ向かう。 市場の中のタベルナ 久方ぶりのちゃんとしたご飯♪ Location ■テッサロニキ国鉄駅Thessaloniki Railway StationMonastiriou 28, Thessaloniki 546 27, Greece
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 8 カランバカの朝 7:00 — 起床。ベッドの上で今後の旅のおおまかな計画を練った。とりあえず明日の電車でギリシャ第2の都市・テッサロニキに行き、少し観光してからトルコのイスタンブールを目指そうと思う。テッサロニキからは国際列車が出ているのだ。 10時頃、宿を出て町に向った。途中、路上に果物屋が出現していたので、大きなオレンジを指差して「ポーソ カーニ?(いくら?)」と聞くと、「1€」と店のおじいさんが笑って教えてくれた。1つもらうことにしたら、吊るしたバケツにゴロンゴロンとオレンジを入れて測っている。1€/1kgだったみたい。大きなオレンジ3つで、1kgを遥かに超えてたけれど、1€にしてくれた。お金を渡す時、おじいさんは、両手で私の手を包んでからお金を受け取った。その幸せな笑顔に私も幸せな気分になった。 見上げれば絶景のカランバカの町 カランバカ駅 それからカランバカ駅に向った。明日の電車の時刻を確かめていると、英語の危ういおじさんから、「テッサロニキ行きはまだないよ」みたいなことを言われた。昨日の事があるので、そんなに驚かなかったけど、さて、どうやってテッサロニキに向おう? 私が考えこんでいると、おじさんは英語がもう少しできる駅員さんをつれて来てくれた。その人はカランバカからパレオファルサロスという国鉄の主要路線と繋がる駅までバスで行って、そこから電車に乗れば良いと教えてくれた。どうやって行くかは解ったけど、乗り換えがやや不安。二人にお礼を言ってから、昨日も訪れたバスステーションに向った。窓口の女の人に、「テッサロニキに行きたいんだけど」と聞くと、7時ジャストにダイレクトのバスが出ていると教えてくれた。それはラッキー!でもちょっと朝早い気がしたので、他の便はどうかと聞くと、あとはトリカラで乗り換えがあるとのこと。ダイレクトの方が安心なので、明日はがんばって早起きすることにした。チケットの購入は明日の朝で良いとのこと。 カランバカ駅 空手道場…? 食料調達 ようやく移動手段が決まったので、スーパーで少し買い物をした。インスタントでいいので、どうしてもコーヒーが飲みたい!スーパーで荷物にならない10袋入りのネスカフェのインスタントコーヒーを0.7€(98円)で買った。それから私の好みの食生活からはどうしても不足しがちな脂質と鉄分の補給のために、ナッツとレーズン(0.91€)も買った。ダンがナッツばかり食べていたので真似してみたのだ。移動の時、キャンディやガムじゃなくてレーズンやプルーンを食べたら栄養も取れて良いじゃないの。旅の間は節約も大事だけど、健康にも気を使わないと‥‥。 ところで、コーヒーといえば、ギリシャのカフェでメニューを見ると、だいたい何処の店でも、コーヒーの欄の一番上(一番安いコーヒー)に『Nescafe』と書いてある。アメリカでファミコンを『ニンテンドー』と言うごとく、こっちでコーヒインスタントコーヒーといえば『ネスカフェ』。コーヒーを買うのに、「ネスカフェ1つ」と頼むのは最初抵抗があったけど、もう慣れてきた。もちろんカプチーノやフレーバー、フラッペなどもある。ラテはあまり見かけない。 お昼に一旦宿に戻って、宿の共同キッチンでお湯を湧かして早速さっき買って来たコーヒーを入れて、パンにジャムをつけて食べた。あぁコーヒー幸せ!そして、朝、露店の果物屋で買ったオレンジを食べてみる。おいっっしい!!なんでこんなに美味しいの!今までの私の人生で一番美味しいオレンジだった。ギリシャ人って毎日こんな美味しい果物を食べているんだろうか。甘みが強くてジューシーで酸味も絶妙!びっくりした。きっと燦々と輝く太陽のおかげだろう。野菜も果物も驚くほど甘い。明日の朝一番大きいのを食べよう。 15時頃、宿の近くにある11世紀のビザンティン教会に行った。シエスタ中で中に入れなかったので、外観だけ見学した。それから町の中をのんびり散策。カランバカにはまた来たいと思う。町自体に何があるというわけではないけれど、上を見上げればメテオラの奇石群が天に届けとばかりに聳えて、梺にはオレンジ色の屋根の町並が広がっている。朝は朝市、夕方になるとタベルナやカフェから音楽が聞こえ出す。町の中心に行けば適度に賑やかで、どの通りにも動物がいる。 明日朝が早いので、早めにチェックアウトをした。部屋はあけておいて良いとのこと。夕飯はオイルサーディンとパンをかじった。1食1€程度。やればできるじゃないの。 スーパーで大きなパンとジャムとオイルサーディン、コーヒーを調達 ネスカフェ最高 Location ■カランバカKalampakaG, Kalampaka 422 00, GREECE