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Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 6 海外あるある移動トラブル 4:30 — 起床。 どのみち寒くて眠れないので、朝6:30発のラミア行きのバスに乗ろうと、町外れのバス停に向かった。けれど、バスも来なけりゃバスステーションも開かない。辺りは当然真っ暗で、星がまだきらめいている。 チケット売り場のおじさん、明日ここに来いと言わなかったか? 極寒の中、1時間くらい待っても全然バスがやって来る気配がないので、仕方なく再び宿に戻って待つことにした。 宿に戻ったとて震えるくらい寒いんだけど……。 9:00 — 再びバスステーションに行った。 その頃にはバスの乗客らしき人たちがいて、バスステーションのドアを引っ張ったり叩いたりして、首をひねっている。 あ、そうか! その時、天啓のごとくひらめいた。 日曜日だ! このあたりじゃ、ほとんどの店が日曜日は徹底して営業しないけど、まさかバスステーションまで営業しないだなんて! アテネから一緒だった中国人の女の子二人連れがバスを待っていたので、挨拶をして、「バスのチケットはどうしようか」「まぁ、バスの中で買えるだろう」などと話をした。 ギリシャの乗り物で無賃乗車すると、罰金がすごいのだ。抜き打ち検査にひっかかると、どんな理由があろうとも運賃の40倍の料金を払わされるらしい。怖い怖い。でも今日は仕方ないよね。だって買えないんだから! 中国人の女の子二人は英語が上手で、発音も良くてうらやましい。40日間旅をするのだと言うと、「遺跡に興味があるのね。でも、いくつも見てると全部同じに見えてこない?」と聞かれた。 まぁねぇ……。 「それでも自分の目で見たいの」と答えた。 二人はこれからアテネに戻るのだという。 10:30過ぎに、10:15発のラミア行きがやってきた。二人と別れてバスに乗り込む。 私のほかには、外国人男性バックパッカーが二人。 バスの中でラミア行きのチケットを6.50€で購入。昨日、バスステーションのおじさんは7.80€って言ってなかったっけ?コミッション込みの料金だったのかな。日本と違って至る所で手数料が発生するから、日本人は戸惑うよね……。 パーティー結成 ラミアまでは2時間だと聞いていたのに、1時間かそこらでバスが停まった。車掌さんが「ラミア、ラミア」と叫んでいる。 「ここ、ラミア?」 後ろを振り返って背の高い男の人に尋ねると、「違う。ラミアは乗り換えだ」とのこと。 えーーー、聞いてないし……。 どことも知れない場所で、ラミア行きのバスを待つことになった。あ!そういえばデルフィで会ったケンブリッジ在住のご主人が、「ここまで来るのが大変だった」って言ってた!詳しく聞けば良かったよね……。  さっきの男の人に「どこまで行くの?」と聞くと、「カランバカ」と言う。 「電車で?」と聞くと、 「バスだよ」と。 バスもあるの?? 私はラミアで電車(OSE)に乗り換えてカランバカに向かうつもりだったんだけど、ラミアについての情報が何もない。人口4万人以上の町らしいので、どこかで地図くらいは手に入るだろうと考えていたんだけど……。 私は咄嗟に、「一緒に行ってもいい?」と聞いた。絶対その方が確実な気がした。 男の人は笑顔で、「もちろん! ついておいでよ!」と快く承諾してくれた。 バス停でその人と話をしていると、デルフィから一緒だったもう一人のバックパッカーの男性がやってきた。 背が低くて、禿げたおでこと肩までの長い髪がヒッピー風に見える彼の名前はダン。カリフォルニア出身だとか。 最初に話をした、身長が軽く2m以上ある男の人はデイビット。オーストラリア人だそう。 デイビットがダンに、 「カランバカまで、この娘が一緒に行きたいってさ」 と説明すると、ダンが明るい声で、 "Sounds good! We’ve got a party now!(僕らはパーティーになったね!)" とニコニコしながら言った。ドラクエの仲間が増えた時の音が聞こえる。 移動の不安がなくなって、ちょっとほっとした。しばらくして、乗り換えのバスがやって来た。長距離バスは良い。重たいバックパックはバスの下に入れて預かってくれるし、車内は暖房が入っていて暖かい。 走ること1時間。ようやくラミアに到着した。 そして私は唖然。 目の前はガソリンスタンド。 荒涼とした風景の中、日曜日のため働く人すらほとんど見当たらない。 絶対、電車の乗り場なんて探せない。 「はーーー」と嘆息していると、デイビットがバスの運転手と話をして戻って来た。 バスは2時間待ちで、カランバカの一つ手前のトリカラという町でもう一度乗り換える必要があるという。 時間があるのでランチにしようか、ということになった。 食事ができる店を探して歩くけど、どこも日曜日なので開いてない。これはもう「日曜日の恐怖」としか言いようがない。やっと見つけた店で料理の値段を聞くと、チキンが1皿10€と言われた。結構高いので、スーパーで食料を調達することにした。 私が菓子パンを買うと、ダンから、「そんなジャンクなものを食べて……」と言われた。 道ばたでパンを水で流し込みながら話をした。 ダンは旅を始めて3か月、デイビットは1年になるんだそう。 私は友達が4月の末にギリシャに来るから、後で合流するんだと言うと、 「日本から?いいねぇ」とダン。 ダンはよくお喋りをする、優しくて楽しい人だ。 逆にデイビットは無口。黙々と歩いていく。 デイビットはオーストラリアに奥さんと子供がいるんだって。どうして1年も旅ができるんだろう? ここで乗り換え?え、無理。 ギリシャ正教会のカミラフカを着用した司祭様(帽子のてっぺんにつばがあるのでたぶん…) ラミア行きのバス カランバカ到着  それから1時間くらい待って、ようやくトリカラ行きのバスが来た。 トリカラまで7€。一昨日からの猛烈な寒さと、この移動の疲れがどっと出てきた。バスの中でウトウトしながら、今日は暖かい宿に泊まろうと心に誓う。 トリカラまで2~3時間。それからまたバスを乗り換え、カランバカまで40分。   体力の限界だと思っていたのに、ダンが指をさして教えてくれたメテオラの幻想的な奇岩群に圧倒されて、完全に目が覚めた。 空に向かってそびえる400mを超える巨大な奇岩。その上に建つ修道院。麓に広がるオレンジ色の町並み。 カランバカでバスを降りると、ダンとデイビットは、さらにメテオラに近いカストラキの村で宿を探すか、キャンプをすると言う。 私は疲れていたので、カランバカで休むと告げて、 「明日また会うかもね。本当にありがとう」と言って彼らと別れた。  さて、また一人になった。 バックパックを背負って、立地の良い安宿を尋ねたけど、改装工事中だった。 少し遠いけれど、デルフィで出会ったケンブリッジ在住の日本人夫妻から教えてもらった宿を訪ねてみようかと思って、緩い登り坂をのぼり始める。 もっと遠いかと思ったけれど、町から10分ほどでたどり着けた。 これが、すっごく綺麗な宿! トイレ、バス、暖房付きで、ベッドは大きくてふかふか。 共同だけど、冷蔵庫とキッチン用品は全部自由に使って良いとのこと。もちろん、いつでもお湯が使える。 これで25€! オーナーは楽しい人だし、もう値切る気にもならずに即決。 ベランダの椅子の上でネコが昼寝をしている。 5€でこの差かぁ……。 荷物を部屋に置いて、早速デルフィでできなかった洗濯をした。 やっぱり宿は大事だと痛感。寝るだけなんだしと思っていたけど、旅先ではそこしか帰る場所がないわけで。 夏ならともかく、寒いからといってカフェに入ったりしていては、余計にお金を使ってしまう。少し学習した。 それにしても、メテオラとカランバカは居心地が良い。 少しここでゆっくりしたいと思った。 カランバカ到着 宿を探して巨石に向かってゆるい登り坂を行く 素敵宿・アルソスハウスの外観(2005年当時) 暖房万歳!! カランバカで早めの夕食  一息ついてから町に降りて、ネットカフェの場所を確認。明日は友達のバースデーなので、メールしないと。 宿への帰り道、おじさんばかりがたまっているファストフード店でスブラキピタと水(2€)を買ったら、席に座って食事していたおじいさんが、ここに座りなさいよと手招きしてくれたので、相席させてもらって、一緒にテレビを見ながら食事した。2€(280円)でお腹いっぱい。 それにしてもテレビではハチの巣とハチミツの映像が流れていたのだけど、なぜかテロかなにかがあったような物々しい放送だった。現地リポーター、目まぐるしく変わる解説員、忙しく流れるテロップ、みたいな。大事件なのだろうか。ハチがぶんぶん飛んでいる。 しかし後になってギリシャのニュースはこういうものなのだというのが解って来た。 Location ■カランバカKalampakaG, Kalampaka 422 00, GREECE

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 5 デルフィ遺跡  昨日は寒くて寒くてなかなか寝つけず、明け方、少し暖かく感じはじめたころには、凍死とはこんなものかと考えたりした。8時まで寝て、町の入口にあるバス停へ、明日のラミア行きのバスを確認しに行った。ラミアで電車に乗り、いくつか乗り継いでメテオラに向かうつもりだった  バス停に行く途中、60代くらいのアジア系の品の良いご夫婦に「日本の方?」と声をかけられた。「そうです」と答えると、「まー、こんなところで日本人に会うなんてねぇ」と奥さん。 二人はメテオラからデルフィにやってきて、これから遺跡を観光するのだという。このご夫婦は日本人だけど、イギリスのケンブリッジ在住とのこと。ギリシャやトルコでは、他のヨーロッパの国々からやって来た日本人に多く出会った。シーズンでもないこの時期、アジアからわざわざやって来る人は少ない。純粋に遠いもんね。 ご夫婦から、メテオラ観光の足場となるカランバカの町のお勧めの宿を教えてもらった。私がバスの時刻表を見に行くのだと言うと、「ここまで来るバスは本当に大変だったよ」とご主人。乗り継ぎで、不便な場所で2時間待ったとぼやいていた。  二人と別れてバス停へ。ラミア行きは6:30、10:15、15:00と、一日に3本あるみたい。お土産屋兼キオスクみたいなバスステーションでチケットの値段を聞くと、7.80€。2時間で着くという。 10時のバスでいいかな。でも夜までにはカランバカで宿を決めなければならない。かといって、朝6時半のデルフィの寒さを考えるとぞっとする。 手書きのバスステーション 手書きの時刻表 遺跡探索  バスの時間は後で考えることにして、今日は絶対行っておきたいデルフィ遺跡の観光に向かった。 チケット売り場で博物館の見学料込みのチケットにするかと聞かれたけど、3€をケチって「Ruinsだけでいい」と言った。ガイドブックに解説が載ってるから良いってことで。 せっかくこんなところまで行ったんだし、博物館は見れば良かったよね……。  デルフィは、最高神ゼウスが「世界の中心」と定め、ゼウスの息子であるアポロンが神託を授けた、古代ギリシャを代表する聖地。 世界遺産デルフィの古代遺跡は、神託が行われたアポロン神殿を中心に、山の斜面にしがみつくように造られている。周囲の山々の荘厳さもあいまって、観光地というよりも、今もなお「聖域」なのだと感じる大きな遺跡だった。 アポロン神殿にはかつて、『汝自身を知れ』という格言が掲げられていたとか。 古代劇場やスタジアムは本当に綺麗に残っている。古代劇場の観客席は、今でも普通に座れる。 スタジアムでは、観光にやってきた中高生くらいの男の子たちが一斉に駆け出し、陸上競技の真似事をしていた。その中に、さっきバス停の近くで会ったケンブリッジから来たご主人を発見して、「若いなぁ」と微笑ましく思った。 21年後の補足 2026年現在、古代劇場の観客席や舞台部分への立ち入りは制限されている。2005年当時は何気なく観客席に座ってトラックを眺めていたけれど、今となっては貴重な体験だったらしい。 アポロン神殿 デルフィの古代劇場(現在は立入禁止) 古代の陸上トラック(現在は立入禁止) カスタリアの泉  デルフィ遺跡から少し離れたところにあるカスタリアの泉(ストーカー避けになるから是非行くように、と友人に言われていた)と、マルマリア(アテナ・プロナイア)の神域を訪れた。 カスタリアの泉…? アテナ・プロナイアの神域 休憩  遺跡を堪能した後、町に向かって歩いていると、かっちょいい男の子4人組が手を振って、一緒に写真に写れと言うので写った。 腰に手を回すあたり、きっとイタリア人(偏見です)。 でもキャッキャとしているので、変な気があるわけじゃない。  町に戻って来て、寒さのあまりカフェに入った。サンドイッチとココアを注文(6.5€)。もうすぐシエスタの時間だよなぁと思いながら、暖かいので2時間くらい居座って、日記や手紙を書いた。 もう少し暖かければ安宿で充分だけど、寒い時期は暖房必須かもしれない。洗濯物は乾かないし、外を歩き回ったのにお風呂に入れないのも辛い。次の町では食費を抑えて、少し良い宿に泊まろうかと考えた。 ここがどのくらい寒いかといえば、室内で上着を着ていても、ガタガタと震えが来るほどだ。あまりの寒さに、思わず家に防寒着を取りに帰りたくなった。  ここ数年でユーロがとても強くなっていて、ギリシャの物価は安くない。サンドイッチひとつ買っても2.4~3€(480円)くらいする。 どうやって節約しようかと考えながらミニスーパーに入ると、食パンがたくさん入って1.5€ほどで売っていた。 これで食いつなげば2日くらい持つのでは?? 今度からそうしよう! スーパーで晩御飯用に、インゲンのトマトソース煮のような缶詰を買って食べた。これがとても美味しくて大正解♪ 0.3€の菓子パンを半分かじって、残りは明日の朝食べることにした。 ホットココアとサンドイッチ ミニスーパーでゲット Location ■デルフィ遺跡 Archaeological Site of DelphiDelphi 330 54, Greece

Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 4 アテネからデルフィへ  6:00 — 今日からアテネを離れてデルフィに移動しようというのに、外は嵐みたいな天気。早起きしたのになぁ……。ちょっと宿で時間を潰して、8時頃、ようやく風が落ち着いてきたのでチェックアウトしようとすると、受付の横で宿のおじさんが椅子に腰掛けたまま、うなだれて寝ていた。申し訳ないけど声をかけて、チェックアウトする。今日のおじさんは、いつもの「カブ」のおじさんじゃなくて、紳士的な人だった。  昨日調べておいたバス停へ向かう途中、クルーリ屋台を発見! 朝ごはんのクルーリ(Koulouri)を買った(0.30€)。「アフト パラカロー(これください)」など、少しだけギリシャ語にチャレンジした。 それにしても今日は異常に寒い! 暖かい飲み物が欲しくて、コーヒーショップに入ってカプチーノを買うと、1.90€。高っ! せっかくクルーリが安かったのに。カプチーノって万国共通で高いんだわ。  さて、バス停へ向かう途中のペリープテロ(キオスクみたいなところ)でバスの乗車券を0.45€で買って、『地球の歩き方』に載っているバス停で待つこと10分。バス停に無造作に貼ってある、走り書きのようなギリシャ語の貼り紙になんとなくイヤ~~な予感がする。 もう少し待ってから誰かに聞こうと思っていると、バス停にやってきたおばあちゃんからギリシャ語で声をかけられた。一生懸命説明してくれているのだけど、さっぱり言葉がわからない。 身振りから察するに、たぶん「バスは手を横に挙げて合図しないと停まらないのよ。私がお手本を見せてあげるから見てなさい」と言われているように思う。バスが通りかかって、おばあちゃんが片手を水平に挙げるとバスが停まった。  停まったバスの行き先番号が私の乗りたいバスと違ったので、乗り込んで運転手さんに聞いてみると、最近乗り場が変わったらしい。「その角を曲がって50mくらい先だよ。024番だから」と教えてくれた。  教えてもらったバス停で待っていると、間もなく024番のバスがやってきた。ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク似の運転手のお兄さんに「リオシオン・ターミナルに行きたい」と言うが、通じない。実は昨日もバスのチケット売り場で聞いてみたんだけど、通じなかった。「Liossion」の発音が違うみたい。 仕方ないので、こんなこともあろうかと準備しておいた必殺プラカード(メモ帳に大きくギリシャ語で「リオシオン・ターミナル」と書いたもの)を見せた。 「ここに行きたいの? 乗りなよ」 やっと通じた(笑)。  バスの中はアナウンスが一切ナシ。“そのあたり”にやってきたら、手すりについているボタンを押してバスを降りるという仕組みなんだけど、“そのあたり”がわからない旅行者なので、運転手のお兄さんに「着いたら教えて」とお願いして、一番前の席に座った。 ターミナルっぽい場所を通りかかったとき、運転手のお兄さんがバックミラー越しに絶妙な目配せをしたので、"Thanks!"と言って席を立とうとすると、「まだだよ!」と言われた。紛らわしいことしないで、ジェームズ。運転手のお兄さんが親切に「次だから」と教えてくれたので、無事にリオシオン・ターミナルにたどり着けた。ターミナル? バスの収納庫なんじゃ……? って感じの場所だった。 クルーリはギリシャの伝統的なパン。 リオシオン・ターミナル 長距離バスで移動  ターミナルの中に入って、デルフィ行きのチケットを11.80€で買った。リオシオン・ターミナルは長距離バスが出ているターミナルで、待合室には大きな荷物を持った人がたくさん座っていた。 私もそこに座ってバスの到着を待っていると、6~7歳くらいの男の子が私の膝の上に紙切れを置いていった。他の客にも同じように紙を配り終えた男の子が戻ってきて、私の顔をうかがう。 紙にはギリシャ語で何か書かれていた。私には読めないけど、たぶん「お金ちょうだい」だろう。私は「NO」と言って、他の客がしているように、紙を床に捨てた。男の子は、同じ年頃の子供とは思えないほど深刻な顔をして、いなくなった。 こういう時、お金をあげるかどうかは人それぞれだけど、何かを感じて考えることは大事な事だと思う。  10:30 — デルフィ行きのバスがターミナルに入ってきた。バックパックをバスの下に載せて、バスに乗り込む。長距離バスは全席指定。自分の席がわからなくてうろうろしていると、ガタイの良いお兄さんがチケットを見て、席を教えてくれた。 隣の席になったマダムと話をすると、彼女はデルフィで宿を経営しているという。「よかったらおいでよ」と誘われたけど、何気なくガイドブックを見たらBクラスのホテルだったので諦めた。  山がちな道を3時間ちょっとかけてバスは進む。車内には、ラジオから少し古く感じるような曲が流れてきた。高橋真梨子の『駅』をアップテンポにしたような歌だ。 出発して2時間経った頃、トイレ休憩があった。トイレに並んでいると、二人連れの中国人の女の子たちが、たまたま目の前が空いたので、途中から割り込んだ形でトイレに入った。別に急いでなかったので気にもしていないでいると、後ろにいたイタリア系のお姉さんたちが、 「あなたが先だったのにね!!」とご立腹。 また別のおばちゃんが入ろうとしたので、お姉さんたちが「このセニョリータが先なのよ!」と言ってくれた。周りの人全員に「ありがとう」と言って、トイレに入ることになった。  休憩からしばらく山道を走って、途中、絵に描いたように可愛いアラホバという町を通った。ぎっしりと詰まったオレンジ屋根の家に、石畳の道。タイプは違うけど、サントリーニと張る可愛さかもしれない。 ここで、バスに乗るときに席を探すのを手伝ってくれたお兄さんが降りていった。この町はスキーができることで有名なんだとか。 スキーやってそうだなぁと思って後ろ姿を眺めていると、お兄さんが振り返って、私にパチリとウインクした。 カーーッチョイーー、そのウインク! 私もやってみたい! でも顔が濃くないとムリなウインクだ。  細い道を大型バスと大型トラックがすれ違う。「おぉー! メルセデスダンプ!」と喜んで写真を撮るも、その後に見るバスもダンプもなんでもかんでもベンツ製で、面白くなくなった。ヨーロッパでは頑丈さを求められる大型車にメルセデス・ベンツが多いみたい。 アテネ→デルフィ行きのチケット メルセデス・ダンプ デルフィ到着  そんなこんなでバスは目的地・デルフィに着いた。 今日は朝から寒かったけれど、ここは山の上なので吹きつける風が死ぬほど冷たい。桜が咲き終わり、菜の花の匂いが町中にしているのに、この寒さ! ひとまず宿を探すことにした。大通りを歩いていると、宿の前に立っていた客引きのおじさんと目が合った。せっかくなので部屋を見せてもらうことに。 ものすごく良い部屋だった。 ダブルルーム、バス・トイレ・朝食付きで35€だという。バス・トイレ共同ならどうかと聞くと30€。高いだのああだこうだと言っていると、朝食なしにして25€にしてくれるという。 ものすごく良い部屋が、あっという間に10€下がる。 そそれでも節約の鬼姫(友人が命名)たる私は、「寝るだけなんだぞ」と思って他を見てみることにした。結局、別のペンションで20€の部屋を見つけて、そこに決めた。 アテネじゃないんだし、もう一声欲しかったけどなぁ。 だけど後から猛烈に後悔。 今日は寒すぎる。 暖房のあるさっきの部屋にするんだった。 E20の安宿 奥に光っているのはコリンティアコス湾 タベルナに初挑戦  それにしても田舎は良い。一眼レフカメラも気軽に出せる。聖なる山に囲まれたオレンジ色の町を探索しながら、写真を撮って回った。 それからお腹が空いたので、タベルナ(食堂)に初挑戦。オリーブオイルのスパゲッティとグリークサラダを注文した。 でも量が絶対一人前じゃない。フェタチーズがどーんと乗ったグリークサラダは、キュウリ、トマト、ピーマン、タマネギなどの野菜を、チーズとオリーブオイルと一緒に食べる。フェタチーズは塩辛いけど美味しい。(後で塩辛くないフェタに出会って、これにハマった) スパゲッティは「ウソでしょ?」と思うほど太くて、アルデンテのアの字もない。さらに上からチーズ攻め。でも、これが案外いける。 量が半端じゃないので、どちらも半分くらいしか食べられなかったけど、とても美味しかった。全部で10.50€。贅沢した。 でも、たまにはマトモな食事を入れないと、病気したら元も子もないので良いことにした。  そそれからまたちょっと町の中を散策して、夕方、宿に戻った。寒すぎて耳当てが欲しい。 夜はさらに気温が下がり、大変なことに。 安宿だから当然暖房はないし、シャワーのお湯もぬるま湯程度。間違いなく風邪をひきそうな気がして、髪は洗わなかった。ドライヤー持ってないもの。 少ない服を4枚着込んで寝た。 伝統的なギリシャのベッドは、布団や毛布じゃなくてラグのようなものを掛けて寝るようになっているみたいで、まるで暖かくない。 4枚重ねてみたけど、重たいだけ……。 グリークサラダ ごん太パスタ Location ■デルフィ Delphi