ギョレメ探索に出発
ぐっすり眠って、さわやかに起床。レセプションに降りていくと、オーナーの息子さんが、すぐに朝食を持ってきてくれた。オーナー自慢のクルミの木を見ながら食べる。昨日の晩は何も食べてなかったので美味しい。
9時頃、ギョレメ村の探索に出発……したのだけど、ものすごい強風で、ハードコンタクトレンズではとても無理! 途中までがんばったけど断念して、いったん宿に戻ってソフトレンズに変えてから、帽子をかぶって再出発した。
向かい風の方向にある博物館は後回しにして、歩いて30分くらいのところにあるギョレメパノラマに向かった。道路を通る車の人全員が手を振っていく。めずらしいんだろうなぁ、こんなところを一人で歩いているアジア人って。実際、人っこひとりいなかった。



ハプニング
坂道を登ったり下ったりして、ようやくそれらしきところに着いた。 白っぽい岩が一面に広がる不思議な景色だ。こんな風景があるんだなぁ。強風の中、必死に写真を撮った。閑散とした景色だけど、黄色や桜に似たピンクの花(アーモンドの花かな?)があちこちに咲いていて、岩肌の白にとても映えている。
たくさん写真を撮って、村に引き返そうと15分ほど下った頃、ポケットに手を入れて、サイバーショットがないことに気が付いた。
ヤバい! 絶対どこかで落とした!
ポケットのチャックを閉じないまま、一眼レフを構えて立ったりしゃがんだりしながら写真を撮っていたからだ。風が強すぎて、落ちた音も聞こえない。
慌てて戻ると、道の途中に落ちていた! よかったぁ!! 白い砂利道にシルバーのボディだったから、誰にも拾われなかったのね。
サイバーショットはコネタ用に使っていて、危うく警察に行って「変な虫の画像が入ったデジカメを落としました」と言うハメになるところだった……。
何より友達から引き継いだカメラなので、なくしたくない。今日はありえない強風で、注意が散漫になっている。気を引き締めていこう。


ギョレメ野外博物館
昼過ぎにだいぶ風がおさまってきたので、ギョレメ野外博物館に向かった。ギョレメ野外博物館はギョレメ村から歩いて行くことになっているのだけど、博物館までの道が恐ろしく閑散としているので、本当にこっちで良いのか不安になる。しかも結構遠い。
途中、『UFO博物館』なる看板を見つけた。 『We’re not alone in universe』などと書いてある。かなり怪しい。
20分くらい歩いて、ようやくギョレメ野外博物館にたどり着いた。ここには岩窟教会がたくさんあって、キリストの生涯を描いた美しいフレスコ画などが残っているのだ。
入口の近くで、ありえないような変な服装の日本人男性に出会った。折り畳み自転車を必死にこいで登ってきて、ぜいぜいと息を切らしている。
「自転車、余計きつくないですか?」
と聞くと、
「きついです……」
と笑っていた。
入場料を払って中に入ると、さっきの男の人は、学生証を出して学割があるかどうか聞いていた。
「ほんとに学生ですか?」
と訝しんで聞くと、
「まさかぁ」
と。カイロで学生証を偽造してきたのだそうだ。
彼はシリアから来たんだって。どうりで変な格好してると思った。
彼からはヨルダンで入国拒否された話を聞いた。
「鼻の先でライフルを持った軍人が、命令口調でお前はあーだこーだって言うんですよ。だから『Pleaseくらいつけろコノヤロー』って言い返したら、8時間取り調べを受けた上に、『お前の入国は認められん』って言われちゃって」
と、でたらめな人だった。
「反抗的なこと言わなければ入れましたよ、たぶん。勉強になりましたね」と話をした。


トルコアイス・ドンドゥルマ
岩窟教会は、岩に穴をあけたり、削ったりして作られている。中の造りが地上の教会とほとんど変わらないので驚いた。フレスコ画も美しい。
特に美しいのがカランルク・キリセ(暗闇の教会)らしかったけど、ここは別料金と言われたので、悩んだ末に見学をパスした。全部見ていては、入場料がかさんでしまう。
そのかわりに、屋外博物館の入口の手前にあるトカル・キリセという教会を訪れた。
受付のおじさんに入れるかどうか聞いただけなのに、なぜだかとても気に入られてしまって、
「君だけは写真のフラッシュも許可しよう!(通常フラッシュ禁止)」
「柵の向こうの祭壇に立ちなさい。(当然侵入禁止)写真を撮ってあげよう」
などと過剰なサービスを受けた。
あげくチャイまでご馳走になって、次にやってきた韓国人カップルにびっくりされた。トルコ人の日本人好きは異常だ。
受付のおじさんにさよならを言って、休憩所と売店があるところに歩いて行くと、のび~るアイス、ドンドゥルマを伸ばしていたおじさんがいたので、写真を撮らせてもらって、アイスを一つ買った(2YTL)。
バニラだけで良いと言ったのに、
「レモンとチョコも食べてみなよ」
と、いろいろくっつけてくれた。
アイスクリームを食べていると、足元に黒い小犬が寄ってきてアイスを欲しがったので、近くに座って一緒に食べた。
通りすがりの欧米人が、笑顔で手を振っていく。
一人のおじさんなどは、車をわざわざ止めて「ラブリー、ラブリー」と言いながら、写真を撮っていった。
日本人と小犬とトルコアイス。
そんなにめずらしいのだろうか……。
あとで写真を送るから、と言われて、おじさんとメールアドレスを交換した。



ケバブサンドとエルマチャイ
ギョレメ村に戻ってきてから、ケバブサンドを2.5YTLで注文して食べた。お店のお兄さんが、
「飲み物は?」
と聞いてきたので、水があるからいいと答えると、
「エルマチャイの方がたぶん美味しいよ」
と言って、チャイをサービスしてくれた。カッパドキアに来てから普通のチャイではなく、エルマチャイをよくごちそうになる。
それからネットカフェに行ってブログを更新。ギリシャへ渡るフェリーの時間や出港日を調べたけれど、まだ曖昧だった。1週間前にならないと時間などは確定しないらしい。次の町でまたチェックしなくちゃ。
それからオトガルに行って、明日のセルチュクへ向かう夜行バスのチケットを買った。案外高い。まぁ、遠くまで行くしね……。


ローズバレーの夕日
19時近くになったので、スーパーに寄ってから宿に帰ろうとしていると、偶然、宿のオーナーとその友達から、
「キヨ?」
と呼び止められた。
「今からサンセットを見に行くんだけど、一緒に来ない? それからビール飲むだろう?」
とオーナーが言ったので、
「うん!」
と言って、一緒に着いて行くことにした。だって地元の人が日頃から見に行きたくなるサンセットなんでしょ。
ビールも、私が手にしていたお菓子も、全部おごってもらった。「悪いから払うよ」と言うと、
「君はうちのゲストじゃないか!」
とオーナー。紳士だ。
車は、地元の人しか知らないような山の上に停まった。ここにも岩窟教会の跡がたくさんあって、そこで風を避けながら、満月のような夕日を眺めた。
トルコのビール(エフェス)もなかなか美味しい。エビスビールに感じが似ている。
目の前にギョレメの奇石。横には地層が美しいローズバレー。
なんて贅沢な時間を過ごしているんだろう。
日が沈むまでそこでゆっくりしてから、これから散髪に行くというオーナーに村まで送ってもらって、宿に戻った。
宿への帰り道、ビール瓶を持って歩いていると、通りを行く男の人から、
「うわ! 酒飲んでるの!? オーマイガッ!」
と言われた。
イスラム教徒の多い国だから、女性がビール瓶を持って歩いている姿は珍しかったのかもしれない。
まぁ、日本では私もビール瓶を持って出歩かないけどね。



Location
■ギョレメ野外博物館 Goreme Open Air Museum
50180 Göreme/Nevşehir Merkez/Nevşehir, Turkey

