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マルマリス
Greece–Turkey 40-Day Journey / Day 22

パムッカレ→デニズリ→マルマリス

 昨日の夜22:30頃、誰かが部屋をノックして、「ツーリストなんだけど、パムッカレについて聞きたい」と言ってきたので、「そんなに良く知らない」とドア越しに答えた。
寝ようと思ったら、さっきの人が変な人だったりして……などと考えて寝つけなくなってしまったので、ナイフを枕元に置いて寝た。

朝起きて、10時前にチェックアウト。今日はデニズリからエーゲ海沿いの港町・マルマリスに向かう。

 10:20 — 旅行会社の前に来いと言われていたので行ったら、エルマンはいなかった。イサさんに見送られてデニズリに向かって出発。エルマンとのり子さんによろしく伝えてもらうように頼んだ。

 デニズリのオトガルで、野菜とケバブを巻いたラフマジュンを食べた。美味しかったけど、アイランと合わせて4YTL(320円)。朝ご飯にしては、ちょっと使い過ぎた。

 昨日、雨の中を歩いたせいで少し風邪気味なのか、消化不良になり、バスの中で少し気分が悪くなってしまったのだけど、
バスで隣の席になったニライという女の子が、めちゃくちゃフレンドリーで、モスクで唱える歌のようなもの(賛歌みたいな感じかな?)の本を、バスに乗り込んできた物売りのおじさんから買って、私にくれた。ニライがすごく話したそうなので、眠ることができなかった。

4時間ほどで、バスはマルマリスに到着した。

トルコの伝統のファストフード「ラフマジュン」
トルコの伝統のファストフード「ラフマジュン」

マルマリス到着

 今日は天気が良く、山の上から見るエーゲ海はとても綺麗な青をしていた。山あり、海ありで、とても綺麗な街だ。

 宿に入って、ユーロで支払えるかどうか聞くと、オッケーみたいで一安心。

トルコに滞在するのは、今日を含めてあと2日。その後は船でロドスに渡るので、これ以上トルコリラに両替するのもなんだし。

宿に荷物を置いて、ロドス行きのフェリー乗場を見に行くことにした。街の隅っこから歩いても、25分くらいのところにあるらしい。

通りを歩いているだけで、海沿いにずらりと並んだレストランや絨毯屋、陶器屋、その他イロイロから声をかけられて、ちょっとうんざり。

明日から【声かけたら許さん】みたいな貼紙をして歩こうかと、本気で考えたりした。

客引きさえいなければ、道に沿って並ぶボートはカラフルで可愛いし、素敵な街なんだけどなぁ。ゆっくり見て歩きたい……。

トルコ南西部エーゲ海と地中海の交わる美しい港町マルマリス
トルコ南西部エーゲ海と地中海の交わる美しい港町マルマリス

宇宙飛行士像

 海沿いを歩いていると、突如として現れる宇宙飛行士。 なぜマルマリスにNASA……? リゾート地に突如現れたガチ装備の宇宙飛行士像に違和感しかなくて、とりあえず写真だけは撮ったものの、当時はそのまま通り過ぎてしまった。

NASAの宇宙飛行士ジェームズ・レイリー2世を称えるブロンズ像
NASAの宇宙飛行士ジェームズ・レイリー2世を称えるブロンズ像
デカい猫が突進してくる
デカい猫が突進してくる

関西弁のおじさん

 レストラン街の喧騒を通り抜けたところで、自転車に乗ったおじさんに出会った。

やけにニコニコした顔で見られているなぁと思っていると、案の定話しかけてきた。

「日本人? 何しにこんなところまで来たん?」

めちゃくちゃ上手い日本語だ。

「船でロドスに行くの」

と答えると、

「あーね! せやなかったら、あんまりここには日本人来んもんなー」

と、全部日本語なのだ。
この旅で出会ったどの人より日本語が上手い。
しかも……関西弁?

ロドスへのフェリー乗場はどこに行けば良いのか尋ねると、おじさんも詳しくは知らないらしい。
「あっちの方やとは思うんやけどなー。着いてってもいい? 勉強になるしな」

と、断りようのないお願いをされて、一緒にフェリー乗場を探すことになった。

「今、仕事ないから、魚釣りばっかしててん」

と、イントネーションまで完璧な関西弁なのが面白い。

ちょうど今は“ツーリスティックホリデー”なんだとか。「この期間はみんな普段の仕事を休んで、観光客を迎えるために街をきれいにするんだよ」と聞いた。

パムッカレで初めて『ツーリスティックホリデー』のことを聞いた時、ホリデーなら休みなのかと尋ねると、そうではなく、通常の仕事を休んで、みんなで観光シーズンの準備をする週になっているのだそう。
いたるところで家の壁を塗り替えたり、リフォームをしたりしているのは、そのためだったんだ。


このおじさんに、

「なんでそんなに関西弁が上手いの?」

と聞くと、10年ほど大阪の会社で働いていたのだそう。

どうりで関西の事情に詳しすぎる。

「梅田から阿倍野まで、270円やで? トルコじゃ昼飯が食べられる。せやなかったら、クッキーをたくさん買うて、そのへんの人たちとおしゃべりしながら食べるね。その方がエエやろ?日本はなんでも高くていかん。せやからみんなビンボーやねん!」
とおじさん。
「そーそー」
と笑っていると、おじさんは海を眺めながら

「もうじきここに、イスラエルから大きな船が到着するんや。みんな船の中でポーカーとかスロットとか、賭け事ばかりしとる。でも日本人はみんな宝くじや」と言った。
めちゃくちゃウケる。

「そんな遊び方知らないよ。やってみたいわ」と言うと、

「やめときー。お金なくなるでー」
と言われた。
全くだ。

そんな話をしながら歩いているうちに、それっぽいフェリー乗場に着いた。
警備員に聞くと、出発の日にパスポートコントロールがあるから、出発の30分前には必ず来ておくこと、と言われた。

これで場所と時間の確認終了。

おじさんは、
「ほーー、こうなっとるんやなぁ。勉強させてもろたわ」
と感心していた。

それから街の方に戻り、レストラン街の向かいにある景色の良い防波堤に座って、しばらくおじさんの話を聞いた。

日本語を使うのが久しぶりで嬉しいんだって。

でも、
「また日本に来るの?」
と聞くと、全力で、
「まさか! 絶対行きたない!」
と返って来た。

「昔は仕事人間やったんやけどなー。もう疲れてしもた。大阪の会社の人にも、また来てくれ言われてんねんけどなー。今こうしてトルコに戻って来て、昔の私を知っとる人に会うとな、みんなびっくりしよるんや。走ってへんからな。昔は時間があってもなくても、走って仕事しよってん」

と、日本で仕事に疲れ果てたらしい。

「今はお金ないけど、あの船を売ったらハワイに行くんや」
と、おじさんは大きくて立派な船を指差した。
「あれ、おじさんの!? 本当に!?」
と聞くと、
「売るんやけどな」
とおじさん。

去年はオランダ人の金持ちに、小型のフェリーほどもある船を売ったんだそうだ。

「ここじゃぁイスタンブールと違って、絨毯売ってもしょうがないのよ。ここいらでは、船や家を売って商売するんや。おもろいよー、これは。ホンマにおもろい!」

本当に今の生活が楽しいみたいで、子供のように目を輝かせて、おじさんは語る。

大阪時代の話も聞いた。

交通費をケチって、大阪から和歌山まで自転車で8時間かけて行ったら、その後3日間寝込んだとか。

インドで僧侶が転がりながら3000キロの旅――というか修行――をしたという話をテレビで見て、日本からトルコまで歩いて帰れるんじゃないかと本気で企画してみたとか。(結果、無理だったらしい)

「そういや、数日前にフランス人が私の所に、『日本の富士に登りたい』言うて訪ねて来たんや。富士は標高3700mくらいやろ? それやったら、うちの裏山の方が高いから、それに登ったらええねんと勧めてみたけど、やっぱり富士じゃなきゃあかんって言うてた。日本に行ったんやないかなー、あの人」

あっはっは。
裏山は富士山より大きいんだ。
大爆笑。
相当笑わせてもらって、夕方になったので、おじさんにさよならを言って別れた。

 ネットカフェに行ってメールを確認すると、友達が、ギリシャへのチケットが取れたと熱狂メールを送ってきていた。

でかした!

出発予定日の6日前までチケットが確定しないんだもの、ヒヤヒヤしたよ。

明日はトルコ最終日。

友達と合流するためにギリシャに戻る。

1ヶ月ぶりの再会は楽しみだ。

Location

マルマリスMarmaris
19 Mayis Genclik Meydani, Tepe Mah., 48700 Marmaris/Muğla, Turkey